打倒ECの巨人アマゾン 実店舗持つウォルマートが挑むラストマイル配送の壁
米国住民の9割は、ウォルマートが国内展開する4700店舗から10マイル(16キロ)圏内に居住しているが、それでも同社は効率的な宅配方法を見出すため、ここ数年で数十億ドルをネット小売事業に投じている。
直近では、昨年のクリスマス商戦の際、ウォルマートのネット売り上げは一部の投資家を落胆させた。
ネット注文の商品については、近隣のウォルマート店舗で顧客が受け取ることができる。また、日常的な宅配については、フェデックス
ウォルマートは、今年末までに米国世帯の40%以上に食料品を配達可能にするという目標を掲げている。
グローバルでは、メキシコでバイク宅配を試行しており、中国では新たな小型スーパーによる30分以内での配達を試している。日本でも注文対応の支援に新たな倉庫を開設して、ネット販売する商品を食材セットにまで拡大している。
今年初め、ウォルマートが宅配事業におけるウーバー及びリフトとの提携を解消した、とロイターが報じた。両社にとって人と荷物を一緒に運ぶことが難しかったためだ。
ウォルマートの食料品配達は引き続きポストメイツやデリブ、ドアダッシュなどの企業が引き継ぎ、先週にはアルファベット
<懐疑的なドライバー>
中産階級向けの緑豊かな郊外住宅地、ニュージャージー州イーストブランズウィックで行われたウォルマートの「アソシエイト宅配」実験プログラムは、まず店長が従業員に対して一風変わった昇給手法を売り込むことから始まった。それは経歴審査をパスした従業員は、ウォルマート・ドットコムの宅配ドライバーを副業にできる、というものだ。
一部の従業員は、会社を利するための制度にもかかわらず、自分の車と自動車保険を使わなければならないと聞いてしり込みした、とロイターに匿名で語った。
従業員の参加を募るため、会社側は無料でテレビやアップルの「iPad(アイパッド)」を提供。最終的に150人以上のアソシエイトのうち約50人が参加したが、多くが配達員の経験はなかったという。
ウォルマートはこれについてコメントを拒否している。
ロイターが取材した同社従業員16人のうち14人は、報酬が悪かったためにこのプログラムから離脱したと語った。また16人全員が、事故や商品紛失時の責任の所在について、懸念を口にした。