最新記事

人権問題

中国の人権活動家・故劉暁波氏の妻、ベルリンに到着 中国が出国許可

2018年7月11日(水)14時45分

7月10日、中国の人権活動家でノーベル平和賞を受賞し、昨年7月に死去した劉暁波氏の妻、劉霞氏が10日、中国を出国し、同日午後にドイツの首都ベルリンの空港に到着した。写真はヘルシンキ国際空港で撮影(2018年 ロイター/Lehtikuva/Jussi Nukari)

中国の人権活動家でノーベル平和賞を受賞し、昨年7月に死去した劉暁波氏の妻、劉霞氏が10日、中国を出国し、同日午後にドイツの首都ベルリンの空港に到着した。

劉霞氏は、劉暁波氏がノーベル平和賞を受賞した2010年以降、事実上の自宅軟禁の状態に置かれており、人権団体が解放を要求していた。

中国の李克強首相は10日までドイツに滞在予定で、ドイツも劉霞氏の出国を認めるよう中国に働き掛けていた。

香港を拠点とする政治コメンテーター、ジョニー・ラウ氏は、中国当局が劉霞氏の出国を認めた理由として、劉暁波氏の命日である7月13日に向けて中国に対する圧力が高まることを避けるためとの見方を示した。また「米国との貿易戦争を背景に、ドイツと組んで米国と対抗したいという中国政府の思惑も背景あるのではないか」と指摘した。

中国外務省は10日、劉霞氏が治療目的で、自らの意思によってドイツに向かったと発表した。定例記者会見で明らかにした。外務省の華春瑩・報道官は、同件に関してこれ以上の情報はないと述べたほか、劉霞氏の出国と李克強首相のドイツ訪問との間に関係はないと主張した。

[北京/ベルリン 10日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 8
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 9
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 10
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中