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貿易戦争トランプ「WTOが米を不当に扱うなら行動起こす!」
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7月2日、トランプ米大統領は、世界貿易機関(WTO)に対する措置をとる可能性があることを示唆した。 2017年4月撮影(2018年 ロイター/Carlos Barria)
トランプ米大統領は2日、世界貿易機関(WTO)が米国を適切に扱わない場合、米国は「何らかの行動を起こす」と警告を発した。
トランプ大統領は2日、ホワイトハウスでオランダのルッテ首相と会談中、記者団に対し、「WTOは米国を極めて不当に扱ってきており、WTOがこうした姿勢を改めることを願っている」と発言。「米国はWTOで極めて不利な立場に置かれている。現時点では何も計画していないが、WTOが米国を適切に扱わなければ、何らかの行動を起こす」と警告した。具体的な行動には触れなかった。
この数時間前に公表された文書で、欧州連合(EU)は米商務省に対し、米国が自動車・自動車部品への関税を導入した場合、米国の自動車業界にとって打撃となり、貿易相手国の対抗措置で、最大2940億ドルの米輸出に影響が及ぶ可能性があると警告。EUは、自動車・部品への関税は正当化できず、経済的にも非合理的と指摘していた。
トランプ大統領はこれを受け、「EUと米国の当局者は近く協議を行うと考えている」と述べた上で、協議がうまく運ばなくても構わないとの考えを示した。
米通商代表部(USTR)の報道官はこの協議の詳細に関するコメントの求めに応じていない。
これに先立ち、米ニュースサイト「アクシオス」は、トランプ政権が大統領に任意の関税引き上げと、特定の国との関税率の交渉認める法案を策定したと報道。これはWTOの2つのルールに対する違反となる。
トランプ大統領に近い関係筋が先週ロイターに明らかにしたところでは、大統領は先に非公式な会話でWTOを脱退したい考えを示したが、真剣な提案ではなかったという。
ホワイトハウスのサンダース報道官は2日、トランプ大統領はWTOからの脱退ではなく、世界的な貿易システムの問題の解消に取り組んでいると説明。「大統領は、WTO(のシステム)に懸念があり、公平でないと考える面が多くあると明言している。中国などはWTOを利用して、優位に立っている。われわれはこのシステムの改善に取り組んでいる」と述べた。
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