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災害西日本豪雨の死者89人、安否不明者58人 企業活動への影響も次第に判明
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7月8日、西日本を中心に甚大な被害をもたらしている記録的な豪雨で、政府は自衛隊などによる懸命の救出作業を続けたが、9日午前8時半までに死者は89人、安否不明者は58人に上っている。岡山県倉敷市で撮影(2018年 ロイター/Issei Kato)
西日本を中心にした豪雨による河川氾濫、土砂災害で被害が拡大し、NHKによると、9日午前8時半までに死者は89人、安否不明者は58人に上っている。被害は企業活動にも拡大し、自動車メーカーを中心に操業停止などが相次いでいる。
共同通信によると昨日段階で、避難指示・勧告の対象は19府県の260万世帯、計590万人。
気象庁は高知県、愛媛県、岐阜県に出していた大雨特別警報を8日午後に全て解除したが、増水した河川の氾濫や土砂崩れには厳重な警戒が必要と呼びかけている。
政府は8日、非常災害本部を設置し、安倍晋三首相は「機動的に態勢を強化し、救命救助や避難の誘導に全力で当たってもらいたい」と指示した。
菅義偉官房長官は8日の記者会見で警察、消防、自衛隊、海上保安庁の救助部隊が5万4千人の態勢で捜索活動に取り組んでいると説明。孤立している地域を中心にヘリコプター41機を投入しているとした。
激甚災害指定については「関係省庁が早急に被害状況の把握に努める。被災自治体が安心して復旧できるような態勢を取る」と述べ、政府として出来る対応は迅速に行う姿勢を示した。
一方、企業側でも集中豪雨被害への対応が広がっている。自動車メーカー各社は、道路の通行止めで部品の供給が滞っているとして、中国地方などにある工場の操業を6日夜から7日にかけて停止した。
マツダは、本社工場(広島県府中町)と防府工場(山口県防府市)の稼働を10日夜(夜勤)まで中止することを決めた。直接、部品供給を受けているサプライヤーの設備などに問題はないが、大雨の影響で物流に影響が出ている。同社の広報担当者は、11日からの操業再開は、10日にあらためて判断するとしている。
また、大雨の影響のため、広島本社など当該エリアに勤務する事務職員(間接部門)も9日の出勤は中止する。
トヨタ自動車傘下のダイハツ工業(大阪府池田市)は、6日夜の操業について、本社工場(同)、滋賀第2工場(滋賀県竜王町)、子会社の大分工場(大分県中津市)と久留米工場(福岡県久留米市)で停止。京都工場(京都府大山崎町)は7日昼の操業を中止した。山陽新聞によると、三菱自動車は6日夜に水島製作所(岡山県倉敷市)の生産を一部中止し、7日の操業も取りやめた。
パナソニックは、岡山市東区にある業務用放送機器工場で1階が股下程度まで水に浸かっており、工場の電気は止まっている状態。同社によると、工場は近隣に通行規制がかかり近づけない状態という。稼働が再開できるかどうかなどに関しては、9日にならないと確認ができないとしている。
(ロイター日本語ニュース 編集:田巻一彦)
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