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非核化北朝鮮、ミサイルエンジン実験施設の解体に着手か=38ノース分析
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7月23日、米国の北朝鮮分析サイト「38ノース」は、今月20日に撮影された北朝鮮の衛星画像から、弾道ミサイルのエンジン開発に使われてきた実験場の主要施設の解体が始まったことがうかがえると指摘した。写真は北朝鮮国旗。2014年10月撮影(2018年 ロイター/Denis Balibouse)
米国の北朝鮮分析サイト「38ノース」は23日に公表した報告書で、今月20日に撮影された北朝鮮の衛星画像から、弾道ミサイルのエンジン開発に使われてきた実験場の主要施設の解体が始まったことがうかがえると指摘した。
複数の画像は、北朝鮮の北西部東倉里の「西海衛星発射場」で、ミサイルの組み立てに使う建物やその近くのロケットエンジン試験台の解体作業が進んでいる様子を示しているという。この試験台は弾道ミサイルなどの液体燃料エンジンの開発に使われていた。
報告書は「これらの施設は、北朝鮮の大陸間弾道ミサイルプログラムにおける技術開発で重要な役割を果たしてきたとみられるため、解体の取り組みは北朝鮮にとって信頼構築に向けた重要な手段となる」と指摘した。
6月12日の米朝首脳会談後の記者会見で、トランプ米大統領は、北朝鮮の金委員長が主要なミサイルエンジン実験場をまもなく解体すると約束したと述べた。
トランプ大統領は解体される実験場を明らかにしなかったが、米政府高官はその後ロイターに対し、取り壊されるのは西海衛星発射場だと特定していた。
北朝鮮を巡っては、米朝首脳会談で約束した非核化の取り組みの具体策が示されない中、公約を守る意思があるのか疑念が生じていた。
ある当局者は、韓国大統領府が実験施設の解体について説明を受けたと明らかにした。ただ、詳細には触れていない。
聯合ニュースによると、韓国の国家安全保障担当の高官は「何も行わないよりはいい」と評価し、「北朝鮮は非核化に向け一歩一歩進んでいるようだ」とコメントした。
ソウル株式市場では、北朝鮮に関連する企業の銘柄が上昇した。
38ノースのマネージング・エディター、ジェニー・タウン氏は、西海衛星発射場で進められている作業について、交渉の継続にとって重要な動きだとの見方を示した。
また、韓国国防省はこの日、北朝鮮との軍事境界線に配置している兵力と装備を減らす方針を明らかにした。聯合ニュースが報じた。
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