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核非核化米大統領補佐官「北朝鮮、1年で大半の核解体可能」 専門家は楽観的と批判
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7月1日、ボルトン米大統領補佐官(写真)は、北朝鮮の大量破壊兵器の大半を1年以内に解体することが可能だとの見方を示した。モスクワで6月撮影(2018年 ロイター/Sergei Karpukhin)
ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は1日、北朝鮮の大量破壊兵器の大半を1年以内に解体することが可能だとの見方を示した。
ボルトン氏はCBSテレビのインタビューで「北朝鮮が既に戦略的な決断を下し、協力的であれば、われわれは迅速に動くことができる」と述べ、「北朝鮮の核関連プログラムの大半を1年以内に物理的に解体することができる」との見方を示した。
また、ポンペオ国務長官が近く北朝鮮と協議を行うとの見通しを示した。英フィナンシャル・タイムズ紙は、ポンペオ氏が今週北朝鮮を訪問すると報じている。ただ、国務省はポンペオ氏の訪朝計画を確認していない。
一部の専門家はボルトン氏が考える期間は楽観的過ぎると指摘している。
オバマ政権下で国務省の軍縮担当高官だったトーマス・カントリーマン氏は「北朝鮮の(核関連)プログラムの大半を1年以内に廃棄することは物理的には可能だ」と述べた上で、「1年以内に完全な廃棄を検証することが可能だとは思わない。また、北朝鮮が完全な核廃棄を固く決意した証拠もまだ確認していない」と説明した。
原子核科学者でスタンフォード大学教授のシーグフリード・ヘッカー氏の試算では、北朝鮮の寧辺核施設の大半を廃棄するには約10年かかる。
ワシントン・ポスト紙は30日、米情報機関高官の話として、北朝鮮が核兵器の備蓄を全て手放すつもりはなく、核兵器を隠す方法を考えていると伝えた。また、北朝鮮には秘密の製造拠点があるという。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは1日、米ミドルバリー国際研究所が新たな衛星写真を分析した結果として、北朝鮮が主要ミサイル製造工場の大幅な拡張工事を進めていると伝えた。
同紙によると、6月に初の米朝首脳会談が行われた前後に、北朝鮮の咸興にある弾道ミサイル製造工場で外側部分の工事を終えようとしていたという。
韓国のメディアは、米国のソン・キム駐フィリピン米大使が1日に北朝鮮の当局者らと国境で面会し、ポンペオ長官の次回北朝鮮訪問の議題を協議したと同日報じた。
米情報機関は北朝鮮が保有する核弾頭の数を正確に把握できていない。国防情報局の推定は約50発と、他の情報機関に比べて多い。ただ、どの機関も、北朝鮮がまだ確定されていない数の小型核弾頭などを全国にある洞穴を含む地下施設に隠していると分析している。
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