お騒がせな在独アメリカ大使、着任そうそう大使の送還を求める声
同党議員のロルフ・ミュッツェニッヒも、グラネルが自身を右派勢力の延長とみなし、大使の行動は、外交官がホスト国の政治に関与しないという1961年の「外交関係に関するウィーン条約」に違反するものとしている(DW)。
批判は左派のみにとどまらない。緑の党のフランジスカ・ブラントナーも、トランプ政権は「大西洋間の協力とヨーロッパを内側から破壊するために」全力を尽くしているように見えると語っている。
いったいどんな人物なのか
先週水曜日のドイツ外務省初訪問でいきなり説明を求められることとなったグラネルは、説明要求に対し、発言が意図と違う内容で受け取られ、「右派と関連づけられたくはない」と言っているようだ。また12日には、メルケル首相との対談のために訪独中のオーストリアのクルツ首相を大使館に招待していたが、前日にキャンセルした。
大使は5月に、少数の記者を集めて昼食会を開いたが、そのときに大使自ら、自分はとても一貫性がないと語ったと、シュピーゲルの記者は語る。
イデオロギー的にも、ときにはリベラル、ときにはコンサバティブで、トランプについても同じように、イデオロギー的に一貫性がないと語る。「ドナルド・トランプが予測不可能なのは大きな利点だと思う」と言うが、記者は大使の印象を、率直で現代的、ゲイであることを公表しているけれども、筋金入りの保守だと語っている。ツイートの回数はトランプより多い。
就任後もドイツの政策を公に批判するツイートをして反感を買った。トランプ大統領がグラネルをドイツ大使に指名する話が最初に持ち上がったのは昨年7月のことだったが、就任が数ヶ月遅れたのはアメリカ国内での反発があったからのようだ。そこでも、女性議員を軽視するようなツイートが取りざたされた。
就任1ヶ月も経たないうちにこれだけの波紋を起こした新大使の今後の動向に注目が集まる。
ドイツは2013年、アメリカの情報機関がメルケル首相の携帯電話を盗聴した件で、アメリカ大使を公式に召喚している。また、アメリカ大使がドイツから呼び戻されたのは、1990年の東ドイツおよび東ドイツのアメリカ大使館が消滅した時のみだ。
ドイツ市民の反応