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交換部品で荒稼ぎ? 自動車メーカーの「隠れた武器」価格設定ソフト

2018年6月11日(月)10時51分


価格設定への監視を回避?

新車市場は非常に透明性が高く競争も激しいが、スペア部品市場は流動性も透明性も、さほど高くない。アナリストによれば、その一因は、一部の部品が商標や特許によって保護されているからだという。

自動車メーカーに対しては以前から、オーストラリアから米国に至るまで、スペア部品で稼ぎすぎているとの批判が、保険会社や自動車愛好家団体から浴びせられてきた。

「パートネオ」ソフトは主に、消費者に与える印象に基づいてスペア部品の値上げを狙っているが、一方で一定品目における価格上昇に対する保険会社の反発を回避しようとする特徴もある。

ロイターが閲覧した3件の顧客向けプレゼンテーションによれば、同ソフトでは、「第三者による価格監視があるものと、ないもの」という基準で部品を分類している。専門誌や保険会社によって価格が監視されているかどうか、という基準だ。

たとえばフランスでは自動車保険修理協会(SRA)が、自動車部品価格のインフレ率を測定しており、パーツ価格の上昇を抑え込むことを狙って、そのデータを公表している。

ブーブール氏の訴えによれば、SRAが注意深く価格をチェックしている特定の部品については、「パートネオ」ソフトは値上げを避けていたという。同ソフトが現在もそうした動作を継続しているかどうかについて、アクセンチュアはコメントしなかった。

(翻訳:エァクレーレン)

Tom Bergin and Laurence Frost

[ロンドン/パリ 3日 ロイター]


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