東南アジアで地歩固めるインド 中国けん制で各国と連携強化へ
西を向けば、インドは、モディ首相が今年オマーンを訪問した際、同国南部ドゥクムの港へのアクセスについての合意文書を取り交わした。この合意では、報道によると、インド海軍は補給などのために同港を使用することができるようになり、これによりインド洋西部での長期運用が可能になる。
インドは1月、フランスとの間で補給交換協定をまとめた。インド側は、インド洋の仏軍施設を利用することができるようになる。
インドのより自己主張の強い振る舞いは、中国の影響力が地域で拡大し、米国が距離を置き始めていると懸念する東南アジア各国の懸念に応えるものだと、アナリストは指摘する。
米国が、中国との間に貿易摩擦を引き起こし、北朝鮮との和平に向けて外交政策を180度転換させたとみられることは、地域におけるさまざまな前提を大きく揺さぶったと、彼らは言う。
「(ASEAN諸国には)安全保障関係を多極化させ、保険をかける圧力が生じている」と、シンガポール国立大学南アジア研究所のC・ラジャ・モハン所長は言う。
「活動的なインドは、こうした状況に自然にフィットする」
モハン所長は一方で、モディ首相の強気の姿勢が、どこまで続くか明らかでないとも指摘。
「インドにとって、これまでも実行が大きな課題だった。(モディ首相は)国外活動を行うためのインド政府の能力強化に苦戦している。改善された部分もあるが、まだ構造的な問題が残っている」と、同所長は話した。
(翻訳:山口香子、 編集:伊藤典子)
[シンガポール 3日 ロイター]