G7でのトランプ「口撃」に当惑 カナダに有効な手はあるか
2人目のカナダ政府当局者は「これはきっと政治的な行動だ。今回のトルドー首相の発言に米国側が本来憤慨するはずない」と強調した。
鉄鋼・アルミ輸入制限をはじめとするトランプ氏の貿易政策に対しては、ライアン下院議長など与党・共和党幹部からも懸念が出ている。同党のコーカー上院議員は、トランプ氏に輸入制限導入の際には議会の承認獲得を義務付ける法案を今週提出すると述べた。
ただトランプ氏が何か大規模な輸入制限を発動したとして、米国の議会やビジネス界、政府内にはカナダ政府が期待するような協調的で効果がある反対運動が起きる気配はない。
一方カナダ政府にとって楽観できる要素もある。米国の鉄鋼・アルミ輸入制限は欧州連合(EU)とカナダ、メキシコ、日本を結束させ、いずれも何らかの対抗措置を講じると表明している。カナダのフリーランド外相は、これらの国・地域は米国への対応という面で緊密に連携していると主張した。
2人目のカナダ政府当局者は、同国の経済規模は米国よりずっと小さいので、他国が協調してくれることが重要な意味を持つと説明した。
トルドー氏は、カナダ国内でも野党を含めてこの問題で全面的な支持を得ている。
また同国政府の一部当局者は、トランプ氏の予測不能性と過去の行動を踏まえると、自動車輸入への関税案を撤回するかもしれないという望みも持っている。1人目の当局者は「トランプ氏は国境調整税を言い出したが、導入しなかった。北米自由貿易協定(NAFTA)離脱もちらつかせながら、まだ実行していない。だから常に期待はできる」と話した。
(David Ljunggren記者)
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