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中国依存を脱却へ 米国EV業界、国産リチウム産業の再興求める

2018年6月14日(木)14時25分

6月12日、米国でリチウム生産の復活に向けた兆しが出ている。中国への依存を警戒する同国の電気自動車(EV)業界で、国内産のリチウムを求める動きが出ていることが背景だ。写真はテスラの電気自動車。カリフォルニア州で1日撮影(2018年 ロイター/Mike Blake)

米国でリチウム生産の復活に向けた兆しが出ている。中国への依存を警戒する同国の電気自動車(EV)業界で、国内産のリチウムを求める動きが出ていることが背景だ。

米国はかつて世界最大のリチウム生産国だったが、1990年代に首位の座から陥落。現在、複数の鉱山会社がノースカロライナ州、ネバダ州など8州で、リチウム産業の再興を目指している。

世界のリチウム需要は2025年までに現在の4倍に増加する見通し。バッテリー業界や自動車業界では、中国への過度の依存を警戒する声が多く、鉱山会社は米国での生産拡大に商機があるとみている。

世界のリチウム処理施設の半数以上は、中国に存在。一大生産国のオーストラリアのリチウムは、大半が中国に輸入されている。

ノースカロライナ州でリチウムの生産再開を計画しているピードモント・リチウムには、ここ数カ月で米国の大手自動車メーカー2社から問い合わせがあったという。生産再開計画は現在、初期段階にある。

同社のキース・フィリップス最高経営責任者(CEO)はインタビューで「(自動車メーカーは)中国以外からリチウムを調達する考えに前向きだ」と指摘。

他の鉱山会社も、ユタ州、カリフォルニア州、アーカンソー州などでリチウムの生産プロジェクトを進めている。

米国が昨年生産したリチウムは世界の生産高のわずか2%。ネバダ州の1つの鉱山から生産したものだ。だが、米地質調査所(USGS)によると、世界の確認埋蔵量の13%前後は米国に存在しており、価格が上昇すれば、採算がとれる可能性がある。

米政府は5月、重要鉱物35種の1つにリチウムを選定。採掘の許認可に弾みがつくことも考えられる。

米国のある大手自動車メーカーは取材に対し「距離的な近さやサプライチェーン多様化のチャンスという点で、米国産のリチウム資源には当然関心がある。ただし、長期的に調達可能であること、環境に優しいこと、価格競争力があることが条件だ」とコメントした。

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