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イギリス議会、EU離脱関連法案の修正案採決へ メイ首相は反対呼び掛け

2018年6月12日(火)11時20分

6月11日、英国のメイ首相は与党保守党に対し、党の結束を示すことを求めた上で、欧州連合(EU)の離脱交渉に悪影響を与えるとして離脱関連法案の修正案に反対票を投じるよう呼び掛けた。写真はロンドンで6日撮影(2018年 ロイター/Toby Melville)

英国のメイ首相は与党保守党に対し11日、党の結束を示すことを求めた上で、欧州連合(EU)の離脱交渉に悪影響を与えるとして離脱関連法案の修正案に反対票を投じるよう呼び掛けた。投票は12、13日に実施される。

離脱関連法案には、来年3月の離脱以降も英国の法制度が機能できるよう、欧州の大半の規則や規制を英国法に切り替えることでEUとの関係性を断ち切る内容が含まれている。これに対し、修正を行うかどうかの採決が予定されている。

EU離脱反対派からの抵抗を恐れるメイ首相は、保守党の議会における基本原則を定める「1922年委員会」の会議を招集。首相の事務所によると、首相は「英国にとって最も良い合意を目指して交渉している。EUとの国境をできる限り摩擦のないものにしつつ、わが国独自の貿易協定を結ぶことに自信を持っている。だが、上院の修正案が有効になれば、交渉における立場は弱体化してしまう」と訴えた。

議会は投票の初日、首相が交渉したあらゆる離脱合意に関し、「重要な投票(meaningful vote)」を行う必要性について協議する。このような投票は、下院が合意内容を拒否した場合、下院に政府の「方向性」を設定するための権限を強化するものとなる。

2日目は、欧州単一市場と関税同盟を離脱する首相のコミットメントについて、与党内からも反対が出る可能性がある。

[ロンドン 11日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

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