最新記事

貿易戦争

カナダ人の7割が米国産品の不買を検討 貿易問題で確執

2018年6月18日(月)14時08分

6月18日、イプソスの世論調査によると、カナダのトルドー首相とトランプ米大統領の間で貿易問題を巡って確執が深まる中、カナダ人の70%が米国産品の購入を回避する方法を模索し始めると回答した。写真はトロントのショッピングモールで2012年12月撮影(2018年 ロイター/Mark Blinch)

15日に公表されたイプソスの世論調査によると、カナダのトルドー首相とトランプ米大統領の間で貿易問題を巡って確執が深まる中、カナダ人の70%が米国産品の購入を回避する方法を模索し始めると回答した。

トランプ大統領は、米国による鉄鋼・アルミニウム関税についてトルドー首相がカナダに対する侮辱だと指摘したことを受け、同首相を「非常に不誠実で弱い」人物だとツイッター上で批判した。トルドー首相はこれまで、トランプ大統領のツイッター攻撃にほとんど言及していない。

カナダと米国間の緊張が高まっているものの、カナダ人の85%、米国人の72%は北米自由貿易協定(NAFTA)にとどまることを支持。両国の回答者の44%は、再交渉が自国にとって良い事だとみなしている。

調査によると、NAFTA再交渉を巡る両国の対立について、カナダ人の72%、米国人の57%がトルドー首相の対応を支持。トランプ大統領の対応を支持する割合はカナダ人が14%、米国人が37%となった。

カナダ人の8割以上、米国人の7割以上は、現状が両国関係に打撃となっていることを懸念している。

調査では、カナダが米国による鉄鋼・アルミニウム関税への報復を表明していることに、カナダ人の79%が支持。一方、米国人は事態の悪化に反対しており、米国人の31%がさらなる関税強化を望んでいるのに対し、61%は選挙で選ばれたその他の米国の公職者がトランプ大統領の発言を非難すべきだと回答した。

調査はカナダ人1001人、米国人1005人(民主党員368人、共和党員305人、無党派202人を含む)を対象に、6月13─14日に実施された。

[オタワ 15日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

20250128issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年1月28日号(1月21日発売)は「トランプの頭の中」特集。いよいよ始まる第2次トランプ政権。再任大統領の行動原理と世界観を知る


※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日経平均は3日続伸、ハイテク株が指数けん引 取引一

ビジネス

午後3時のドルは155円後半で堅調、米大統領の発言

ワールド

ブラジルCOP30議長、米のパリ協定再離脱の影響懸

ワールド

韓国、務安空港のコンクリート構造物撤去へ 旅客機事
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの頭の中
特集:トランプの頭の中
2025年1月28日号(1/21発売)

いよいよ始まる第2次トランプ政権。再任大統領の行動原理と世界観を知る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 2
    被害の全容が見通せない、LAの山火事...見渡す限りの焼け野原
  • 3
    「バイデン...寝てる?」トランプ就任式で「スリーピー・ジョー」が居眠りか...動画で検証
  • 4
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 5
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 6
    大統領令とは何か? 覆されることはあるのか、何で…
  • 7
    世界第3位の経済大国...「前年比0.2%減」マイナス経…
  • 8
    トランプ新政権はどうなる? 元側近スティーブ・バノ…
  • 9
    電子レンジは「バクテリアの温床」...どう掃除すれば…
  • 10
    「敵対国」で高まるトランプ人気...まさかの国で「世…
  • 1
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 2
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性客が「気味が悪い」...男性の反撃に「完璧な対処」の声
  • 3
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 4
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 5
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 8
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 9
    被害の全容が見通せない、LAの山火事...見渡す限りの…
  • 10
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中