金正恩はプンゲリ核実験場を閉鎖できるか? 安全性、実効性に疑問符
恒久的かつ不可逆的
核の専門家は、核実験場の閉鎖計画は、少なくとも6月に予定される米朝首脳会談を前にした歓迎すべき政治的ジェスチャーだと指摘する。
だが同時に、実験場閉鎖は、米国が求める核開発計画の「完全かつ検証可能で、不可逆的な解体」の最初の一歩とは必ずしもならない、と警告する。
米国務省は、実験場破壊を確認するオブザーバーや、国際監視員の現地入りを北朝鮮側に要求したかとの質問には明確に答えなかった。
「完全に査察可能で恒久的かつ不可逆的な実験場の閉鎖は、(北朝鮮の)非核化の鍵となる一歩だ。さらに詳細を把握したい」と同省広報担当者は述べた。
豊渓里からわずか100キロ地点で国境を接する中国は、閉鎖を監視、もしくは支援する可能性については何も表明していない。
「私の理解では、北朝鮮はそのような要請を中国に行っていない」と、中国外務省の報道官は15日述べた。
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が、虎の子の核兵器を完全に手放すことを疑う関係者は多いが、仮に金委員長が核計画を縮小したとしても、それには長い時間が必要になるとアナリストは指摘する。
「金正恩が、実験場閉鎖など反対を受けにくい行動に一方的に踏み切り、監視団なしに実施することを懸念している」と、ワシントンにある国際科学テクノロジー政策研究所のシャロン・スカッソーニ教授は語る。「そうなれば、北朝鮮が、普通ならば歓迎される行動を取る一方で、その検証ができないという複雑な事態に陥る」
(翻訳:山口香子、編集:下郡美紀)
[ソウル/ワシントン 15日 ロイター]
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