インドネシアで爆弾テロ、13人死亡 キリスト教会3か所で連続発生
今回のスラバヤでの連続爆弾テロに関してはこれまでのところ犯行声明などは出されていないが、国家情報庁(BIN)ではISに感化されたインドネシアのテロ組織「ジェマ・アンシャルット・ダウラ(JAD)」が関与しているとみている。
BINによるとジャカルタの機動隊本部の暴動に関連してJADメンバーが当初はジャカルタで爆弾テロを実行しようとしたが、警備が厳重なため標的をスラバヤの教会に変更して今回のテロとなったという。
さらに13日午前にはジャワ島中部のチアンジュールで国家警察対テロ特殊部隊がテロ容疑者4人と銃撃戦になり、容疑者4人を射殺する事件があったが、この4人もJADの関係者とされ、新たなテロを計画中だったとしている。
社会的緊張が高まり厳戒態勢の中で発生
インドネシアでは毎年、イスラム教の断食月前後には社会的不安を高めようとする不穏分子や中東のテロ組織「イスラム国(IS)」に感化されたインドネシアのイスラム系テロ組織メンバーによる爆弾テロ、キリスト教会など宗教施設への攻撃、外国資本のホテルなどへのテロが増加する傾向がある。
2018年から2019年にかけてインドネシアは選挙という重要な政治日程が続くことから、政治勢力による対立が原因のヘイトスピーチや誹謗中傷が暴力行為に発展するケースも目立ち始めており、日本大使館ではその都度在留邦人に「注意」を喚起して警戒を呼びかけている。
[執筆者]
大塚智彦(ジャーナリスト)
PanAsiaNews所属 1957年東京生まれ。国学院大学文学部史学科卒、米ジョージワシントン大学大学院宗教学科中退。1984年毎日新聞社入社、長野支局、東京外信部防衛庁担当などを経てジャカルタ支局長。2000年産経新聞社入社、シンガポール支局長、社会部防衛省担当などを歴任。2014年からPan Asia News所属のフリーランス記者として東南アジアをフィールドに取材活動を続ける。著書に「アジアの中の自衛隊」(東洋経済新報社)、「民主国家への道、ジャカルタ報道2000日」(小学館)など
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