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日中関係日中外相が会談、全面的な関係改善目指す方針で一致 北朝鮮情勢も議論
4月15日、来日中の王毅・中国外相(写真)は、河野太郎外相と都内で会談し、日中関係が早期に正常発展の軌道に戻るような重要な一歩を踏み出すことを期待するとの見解を示した。写真は1日、ハノイで記者会見に臨む王外相(2018年 ロイター/Kham)
河野太郎外相と中国の王毅国務委員兼外交部長は15日に都内で会談し、日中関係を全面的に改善していくことで一致した。5月の李克強首相の来日を手始めに、首脳の相互往来を実現する。
北朝鮮問題についても議論したものの、河野外相は記者団に詳細なやりとりを説明することは控えた。
王外相は会談の冒頭、「今回の訪日は、河野大臣、そして大臣の前任の何回かの訪中の答礼訪問でもあり、日本側が前向きな対中政策を取ったことへの答えでもある」と発言。「両国関係を持続的、安定的に改善させ、早期に正常発展の軌道に戻していきたい」と語った。
会談は夕食会を含め、およそ3時間45分に及んだ。両外相は、5月の日中韓首脳会談に合わせて李首相がまず来日、その後に安倍晋三首相が訪中し、習近平国家主席が来日する段取りを確認した。河野外相は会談後、記者団に対し「日中の首脳往来を通じて幅広い実務協力を具体化し、全面的な関係改善を進めることで一致した」と述べた。外交・防衛当局間のほか、市民レベルの交流を進めていくことも申し合わせた。
北朝鮮問題については「現下の情勢を踏まえ、率直かつ突っ込んだ議論をした」(河野外相)ものの、3月下旬に開かれた米朝首脳会談の内容を含め、詳細なやり取りは明らかにしなかった。河野外相は記者団に「引き続き関連の安保理決議を完全に履行しながら、緊密に連携していくことを確認した」とだけ述べた。
王外相の来日は、今年1月の河野外相訪中に続く動きで、9年ぶりに日中外相の相互往来が実現した。両国は日本が実効支配し、中国も領有権を主張する尖閣諸島(中国名:釣魚島)などをめぐり関係が悪化していたが、平和友好条約締結から今年で40年を迎え、改善の機運が高まっている。
16日には両外相を議長に、2010年以降途絶えていたハイレベル経済対話を再開する。日本側からは茂木敏充経済再生担当相、世耕弘成経済産業相、中国側からは鐘山商務相が同席する。米国が保護主義色を強める中、自由貿易の重要性を確認する。15日の外相会談でも米中の経済摩擦が議論となり、両外相は「公正で国際的なルールにもとづく自由で開かれた貿易体制を維持していくことが重要との見解で一致した」(外務省関係者)。
王外相の来日に合わせ、日中は自衛隊と人民解放軍の佐官級交流も6年ぶりに再開する。15日から人民解放軍の少将や大佐など25人が来日した。
(久保信博 編集:田巻一彦)