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野党欠席の中、衆院集中審議 安倍首相「加計問題、認識十分でなかった」

2018年4月26日(木)12時21分

4月26日、衆院予算委員会は、麻生太郎財務相の辞任などを要求して国会審議に応じていない立憲民主党など野党6党が欠席するなか、集中審議を開催した。安倍晋三首相は加計学園をめぐる問題について「私の認識が十分でなかった」とし、結果的に国会審議の停滞を招いた点を陳謝した。写真は21日、新宿御苑で「桜を見る会」を開催した後、記者の質問に答える首相(2018年 ロイター/Toru Hanai)

衆院予算委員会は26日午前、麻生太郎財務相の辞任などを要求して国会審議に応じていない立憲民主党など野党6党が欠席するなか、集中審議を開催した。安倍晋三首相は加計学園をめぐる問題について「私の認識が十分でなかった」とし、結果的に国会審議の停滞を招いた点を陳謝した。解散・総選挙については「頭にまったくない」と否定した。

安倍首相は加計問題について「私の長年の友人が関わる話で、国民の皆様から疑念の目が向けられることはもっともなこと」との認識を示した。その上で「今振り返れば、そうした点について私の認識が必ずしも十分ではなく、結果として現在のように国会審議が政策論争以外に集中してしまう状況を招いたことは、率直に反省しなければならない」と陳謝した。杉本和巳委員(維新)への答弁。

しかし、安倍首相は「これまで繰り返し答弁しているとおり、担当大臣も前川(喜平・前文部科学)次官も含め、誰一人として私から指示を受けた人はいない」として、自らの関与を否定した。

一方、「いまだに多くの国民の皆様の厳しい目線が向けられていることをしっかり受け止めながら、国民の皆様に全容を明らかにする努力を続け、説明責任を果たしていく考えだ」と強調した。

解散・総選挙、頭にまったくない

衆院解散があり得るのかとの質問に対して、安倍首相は「解散・総選挙は頭にまったくない」と明言した。「行政の問題で国民の信頼を揺るがす事態に、行政府の長として責任を痛感している」とし、「膿(うみ)を出し切る」と強調した。杉本和巳委員(維新)への答弁。

首相は、韓国や米国などに北朝鮮に対して拉致問題を提起するよう要請した経緯について触れ、「国際社会全体が日本の立場を支持してくれれば、北に対して日本の交渉力を強める」と説明した。浜村進委員(公明)に対する答弁。

WTO対応を検討、現時点で具体的準備ない

米国の鉄鋼・アルミ関税の適用除外を求めて世界貿易機関(WTO)に提訴する可能性について問われ、「米国と引き続き協議していく。並行して、WTOの枠組みでの対応を検討していく。現時点で具体的な準備はしていない」と説明した。

茂木敏充経済再生担当相は、日米首脳会談で合意した新しい通商対話の枠組み「FFR」について、「決して簡単な協議ではないと考えている」と語った。浜村進委員(公明)に対する答弁。

[東京 26日 ロイター]


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