化学兵器疑惑のシリア政権 欧米の報復受けても優勢持続の背景
「ロシア側は反体制派に対してひどく怒っていた。そして、『なんだ、このありえない条件は』と問いただした」
シリア政府の立場ははっきりしていた、とこの指揮官は言う。反体制グループはトルコとの国境にあるジャラブラスに向かわなければならない、というものだ。
だが「ジャイシュ・アル・イスラム」関係者によれば、ロシア側との交渉は、同グループがドゥーマにとどまるための条件を巡るものであり、退去の条件ではなかったという。
その後の猛攻により「ジャイシュ・アル・イスラム」の防衛線は粉砕されたと双方が語った。
空爆が続くあいだも、市民保護のためにドゥーマ残留を認めるよう「ジャイシュ・アル・イスラム」の要求を繰り返したと、同組織幹部は言う。
次の日の夜、女性と子どもを中心とする500人以上がドゥーマ市内の医療施設に担ぎ込まれた。救援組織の1つである「シリア系米国人医療協会(SAMS)」によれば、化学物質にさらされたことを示す症状だったという。
「化学兵器による攻撃の後、攻撃対象拠点と負傷者を受け入れる病院の周辺地域に対して、樽爆弾による攻撃があった。それで、救急車が犠牲者のもとに到達することが難しくなった」とSAMSは言う。
反体制派が撤退を開始したのは、その数時間後だった。
(翻訳:エァクレーレン)
[アンマン 16日 ロイター]
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