中国で神妙だった金正恩氏、帰国して「偉そうな態度」が復活
つい先日、中国芸術団が訪朝した。中朝首脳会談の後ということもあり、金正恩氏はこれまでにない熱烈な歓迎ぶりを見せた。芸術団を引率した中国共産党の宋濤対外連絡部長とも複数の会談を行ったが、会談では訪中時の神妙さもどこへやら、いつもの傲慢な態度を見せている。
中国共産党の対外部長よりは金正恩氏の方が格上ではあるが、まるで北朝鮮国内の幹部と接しているかのようなふんぞり返りぶりだ。中国では大人しくしたが北朝鮮国内ではそうはいかないぞ──といわんばかりの豹変ぶりには、少々呆れると同時に、なんとなく金正恩氏の幼稚な一面が見えてくる。
金正恩氏は4月27日に南北首脳会談、5月か6月には米朝首脳会談、その後には習近平氏を北朝鮮へ迎え入れるとしているが、果たしてどのような態度を見せるのだろうか。
[筆者]
高英起(デイリーNKジャパン編集長/ジャーナリスト)
北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。関西大学経済学部卒業。98年から99年まで中国吉林省延辺大学に留学し、北朝鮮難民「脱北者」の現状や、北朝鮮内部情報を発信するが、北朝鮮当局の逆鱗に触れ、二度の指名手配を受ける。雑誌、週刊誌への執筆、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に『コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記―』(新潮社)、『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』(宝島社)、『北朝鮮ポップスの世界』(共著、花伝社)など。近著に『脱北者が明かす北朝鮮』(宝島社)。