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森友問題、佐川喚問は証言拒否で疑惑解明にほど遠く 今後は世論次第

2018年3月27日(火)17時12分

3月27日、衆参の予算委員会で行われた証人喚問は、佐川宣寿・前国税庁長官が財務省決裁文書の改ざん理由や経緯について、刑事訴追の恐れがあるとして証言を拒否したため、真相解明にはほど遠い結果となった。写真は予算委員会で証言する佐川氏(2018年 ロイター/Toru Hanai)

衆参の予算委員会で27日に行われた証人喚問は、佐川宣寿・前国税庁長官が財務省決裁文書の改ざん理由や経緯について、刑事訴追の恐れがあるとして証言を拒否したため、真相解明にはほど遠い結果となった。野党側は安倍昭恵首相夫人、迫田英典・元国税庁長官らの証人喚問を要求した。

ただ、マーケットには安倍晋三内閣は危機を切り抜けたとの見方が浮上。日経平均<.N225>が前日比500円超上昇し、経済界からも国会での政策議論を求める意見が出ており、「森友疑惑」が落着するかどうかは、今後の世論次第になりそうだ。

この日の証人喚問を前に、政府・与党は守勢に立たされていた。26日付日本経済新聞朝刊に掲載された世論調査で、財務省決裁文書の書き換え問題で、安倍首相に「責任がある」との回答が70%に達し、昭恵夫人の国会招致は「必要だ」が62%となった。

その前に出ていた国内メディアの世論調査では、内閣支持率が急落。中には30%前半に低下する結果もあった。

こうした世論の動向も踏まえ、自民党が動く。複数の関係者によると、二階俊博幹事長が最終判断し、「ぎりぎりまでくすぶっていた(喚問実施の)反対派を押し切った」とされる。

注目される証人喚問は、27日午前9時半から始まった。ただ、問題の核心の1つとされる決裁文書改ざんの目的や経緯、佐川氏自身の関与の程度は「刑事訴追のおそれがある」との理由で証言を拒否。

対照的に安倍首相や昭恵夫人、麻生太郎財務相、財務省幹部の関与については、明確に否定した。

その結果、この日の喚問では、事実関係に関する新たな証言はなく、明確な違法行為である決裁文書の改ざんが、何を目的に、いつ、だれが主唱したのかと言う疑問点は解明されなかった。

一方、佐川氏が安倍首相らの関与を明確に否定したため、金融・資本市場では、この問題の拡大はひとまず回避されたのではないかとの受け止めが広がった。

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