北朝鮮の姿勢軟化は制裁の成果か、時間稼ぎか
民間の船舶を利用した制裁逃れを防ぐ努力など、アメリカの制裁は厳しさを増している。北朝鮮の対話提案には、制裁緩和への期待も含まれているだろう。米議会筋も、最近の北朝鮮による「ほほ笑み外交」は、輸出による外貨獲得をほとんど不可能にする制裁をなんとか緩和してほしいからだとみている。
もちろんトランプ政権は北朝鮮への「最大の圧力」を続ける決意で、制裁緩和を持ち出すことはない。しかし北朝鮮の対話姿勢によって、アメリカが他国を、とりわけ中国を説得して追加制裁を打ち出すのが難しくなったのは事実だ。
現に中国は、アメリカが国連安保理に要求した33隻の北朝鮮船舶の制裁追加案に異議を唱えている。金正恩がアメリカとの対話に前向きな姿勢を見せている現在、中国が今までのような圧力を加え続ける保証もない。
タウンは言う。「そもそも、先に対話を望むと言ったのはトランプ政権の側だ。もしもこのチャンスを逃したら、追加の経済制裁をしたくても国際社会の同意は得られないだろう」
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