最新記事

アメリカ政治

トランプ不人気でバイデン大統領の現実味

2018年3月6日(火)15時40分
ボビー・イリッシュ

これまでも何度か大統領職への意欲を表明してきたバイデン Mark Wilson/GETTY IMAGES

<次期大統領への意欲をちらつかせる前副大統領の本気度と現職大統領の勝算>

民主党のバイデン前米副大統領が20年の次期大統領選で、立候補の可能性に含みを持たせていると、2月18日にAP通信が報じた。まだ決断に至っていないが出馬を検討している、とバイデンが外交政策担当の側近らに直接語ったというのだ。

オバマ前大統領の下で8年にわたって副大統領を務めただけに、その知名度は抜群。73~09年に上院議員を務めており、政治経験も豊富だ。

共和党員ながらトランプに批判的で、彼から「負け犬」呼ばわりされたベン・サシ上院議員は、16年の大統領選でバイデンがドナルド・トランプ候補と戦っていたら、バイデンが「地滑り的勝利を収めていただろう」と、トランプ政権発足から間もない17年4月に認めていた。

民主党全国委員会のエド・レンデル元委員長も17年12月、バイデンを「私たちのスーパースター」と称賛。「今度彼が出馬を決断すれば、(トランプに)圧勝するだろう」と語った。

ただし、バイデン勝利の確率についてそれほど楽観視していないのがオッズメーカー(賭け屋)だ。賭けサイト「ベット365」は、バイデンよりも当選確率が高い候補者6人を予想している。

なかでも最有力候補は現職のトランプ。ほかにも共和党からはペンス副大統領、民主党からはエリザベス・ウォーレンやカマラ・ハリス、バーニー・サンダース、キルステン・ジルブランドといった上院議員4人が挙がっている。

だがCNNは18年1月時点で、トランプの支持率は彼ら上院議員やバイデンに及ばないとの世論調査を発表。バイデン対トランプの決選となった場合は有権者の支持率が57%対40%、サンダース対トランプでも55%対42%で、トランプが不利となっている。

ネックになるのは高齢?

バイデンは88年の大統領選に立候補を表明したが、民主党の予備選でマイケル・デュカキス候補に大敗。08年の予備選にも敗れ、オバマ候補の副大統領候補に指名された。16年の大統領選に際しても民主党内でクリントン元国務長官やサンダースなど強敵との激戦が予想されていたなかで、立候補の意欲をほのめかしながら撤退した。

20年の大統領選に出馬した場合、問題となるのが年齢との戦いだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ウニクレディト、BPM株買い付け28日に開始 Cア

ビジネス

インド製造業PMI、3月は8カ月ぶり高水準 新規受

ワールド

中国軍が東シナ海で実弾射撃訓練、空母も参加 台湾に

ビジネス

ユニクロ、3月国内既存店売上高は前年比1.5%減 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 8
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 9
    イラン領空近くで飛行を繰り返す米爆撃機...迫り来る…
  • 10
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 7
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中