最新記事

アメリカ経済

トイザラス、米国の全735店舗閉鎖へ 約3万人失職、玩具メーカーに影響も

2018年3月15日(木)17時40分

3月15日、経営再建中の米玩具販売チェーン大手トイザラスは、米国内の全735店舗を閉鎖すると発表した。買い手を見つけることも債権者と債務再編で合意することもできなかったという。写真は9日、同社のニューヨークにある店舗内の様子(2018年 ロイタ―/Eduardo Munoz)

経営再建中の米玩具販売チェーン大手トイザラスは15日、米国内の735店舗を閉鎖すると発表した。買い手を見つけることも、債権者と債務再編で合意することもできなかったという。これにより、約3万人が職を失う可能性がある。

同社はまた、米店舗のうち業績の良い200店舗程度とカナダ事業を統合する取引に一部のグループが関心を持っており、協議を進めていると明らかにした。

トイザラスの店舗閉鎖はさまざまな世代の消費者だけでなく、製品を納めていたマテルやハスブロ、レゴのような玩具メーカーにとっても大きな打撃となる。

同社は、米国内店舗の在庫を清算する承認を申請。今後は、継続事業の再編とカナダおよびアジア、ドイツ、オーストリア、スイスを含む中欧事業の売却手続きを進める方針。

デービッド・ブランドン最高経営責任者(CEO)は「米国内の事業を続けていくための金融支援が受けられなくなった。従って、米国事業の閉鎖を秩序あるプロセスで実行していく」と述べた。

トイザラスは米国内でフルタイムとパートタイムを合わせ、約3万3000人を雇用している。

同社は、米インターネット通販大手アマゾン・ドット・コムなどとの競争激化により業績が低迷し、昨年の9月には米連邦破産法第11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請した。経営再建の一環として、米国内の店舗5分の1の閉鎖を既に進めていた。

[15日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 8
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 9
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 10
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中