最新記事

習近平

中国共産党、国家主席任期撤廃を提案 習近平の独裁長期化へ

2018年2月26日(月)08時58分

2月25日、中国国営の新華社通信によると、中国共産党は国家主席の任期を撤廃するため憲法の改正を提案した。写真は、習近平国家主席。北京で昨年10月撮影(2018年 ロイター/Jason Lee)

中国国営の新華社通信によると、中国共産党は25日、国家主席の任期を撤廃するため憲法の改正を提案した。実現すれば、習近平国家主席(64)は2023年以降も続投できることになる。

新華社は詳細について触れていない。提案は党中央委員会が行ったもので、任期撤廃の対象には副主席も含まれているという。

現行憲法では、習国家主席は2期(1期は5年)の任期終了後の退任が定められている。任期終了を控え、習国家主席は3月5日に開幕する1年に1度の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で正式に選出され、2期目に入る見通し。

中国共産党党首と人民解放軍の最高幹部としての任期に期限はないが、通常は10年が最長。習氏は2017年10月に中国共産党党首である総書記と、軍最高幹部としての2期目を開始している。

著名な歴史学者の章立凡氏は、今回の提案は予期できなかったことではなく、習氏が政権の座に何年座り続けられるかを予想するのは困難だと指摘。ジンバブエで1980年の独立以来、昨年11月まで37年間実権を握ったムガベ大統領に言及し「習氏は理論上、ムガベ氏より長く務められるが、現実的には何が起きるのか誰にも分からない」と述べた。

人民日報など中国共産党の主要機関紙は前向きな意見を掲載したものの、ツイッターに似たミニブログのウェイボー(微博)では歓迎する声ばかりではない。「2期が十分でないなら、3期に変更すれば良いだろう。だが、上限は必要だ。任期撤廃は良くない」との意見が見られた。

憲法改正には議会の承認が必要だが、議会は党への忠誠を誓って選出されたメンバーが多く、今回の改正が却下される可能性は低い。

[北京 25日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

インドGDP、7─9月5.4%に鈍化 製造業と個人

ワールド

英運輸相が辞任、過去に有罪認める スターマー首相に

ワールド

トルコGDP、第3四半期2.1%に減速 高金利が重

ビジネス

ユーロ圏消費者物価指数、11月速報値は前年比+2.
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老けない食べ方の科学
特集:老けない食べ方の科学
2024年12月 3日号(11/26発売)

脳と体の若さを保ち、健康寿命を延ばす──最新研究に学ぶ「最強の食事法」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    BMI改善も可能? リンゴ酢の潜在力を示す研究結果
  • 2
    エスカレートする核トーク、米主要都市に落ちた場合の被害規模は想像を絶する
  • 3
    「時間制限食(TRE)」で脂肪はラクに落ちる...血糖値改善の可能性も【最新研究】
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    リュックサックが更年期に大きな効果あり...軍隊式ト…
  • 6
    ペットの犬がヒョウに襲われ...監視カメラが記録した…
  • 7
    ウクライナ前線での試験運用にも成功、戦争を変える…
  • 8
    バルト海の海底ケーブル切断は中国船の破壊工作か
  • 9
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 10
    谷間が丸出し、下は穿かず? 母になったヘイリー・ビ…
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳からでも間に合う【最新研究】
  • 4
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 5
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 6
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 7
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 8
    リュックサックが更年期に大きな効果あり...軍隊式ト…
  • 9
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 10
    BMI改善も可能? リンゴ酢の潜在力を示す研究結果
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中