【銃乱射】トランプ支持の白人労働者層でも銃規制支持が多数派に
ホワイトハウスの外で2月19日に行われた銃規制強化を求めるデモ REUTERS TV/REUTERS
<白人労働者のほか白人男性、銃所有者の間にも、銃乱射を止めろという意見が広がり始めた。今度こそ銃ロビーに勝てるのか>
2月14日にフロリダ州の高校で起きた銃乱射事件をきっかけに、銃規制強化を求める世論がアメリカで沸騰している。2月20日に発表された最新の世論調査では、アメリカの有権者の3分の2が銃規制強化に賛成し、賛成の割合が過去最高を記録した。
コネティカット州のキニピアック大学の世論調査によると、有権者の66%が銃規制の強化に賛成した。反対は31%だった。この賛成率は、独立系の同世論調査が開始されて以来もっとも高い数字だ。キニピアック大の世論調査では、いまや銃所有者の50%が規制強化に賛成していることもわかった。
犯罪歴などを調べるバックグラウンド・チェック、銃購入時の待機期間の義務化、殺傷力の高いアサルトウェポン(対人殺傷用銃器)販売の全国的な禁止に対する支持が広がっている。ユニバーサル・バックグラウンド・チェック(オバマ政権が提案した銃規制案で、銃を買う全ての人に身元情報の提出を義務づける)は、全回答者の97%が支持している。また、アサルトウェポンの禁止に賛成する人は67%、待機期間に賛成する人は83%にのぼった。
今回のキニピアック大による世論調査では、各種の銃規制強化策に賛成する人の割合が、おしなべて調査開始以来もっとも高くなった。キニピアック大学が銃規制に関する世論調査を始めたのは、2013年にコネティカット州ニュータウンのサンディ・フック小学校で銃乱射事件が起きたあとのこと。この事件では、子ども20人とおとな6人が犠牲になった。
アメリカ人も衝撃を受けている
キニピアック大で世論調査のアシスタント・ディレクターを務めるティム・マロイは声明のなかで、「銃乱射事件が起きてもアメリカ人はほとんど動じないという考えは改めるべきだ」と述べている。
「銃規制の強化に賛成する人の割合は、2年あまりで19ポイント増えている。しかも、過去2カ月で銃規制強化への支持がいちばん大きく増加したのは、無党派層、男性、大学を出ていない白人といった予想外の層だ」
ドナルド・トランプ大統領の代表的な支持層である「大学を出ていない白人」も、新たな銃規制対策に賛成している。この層の実に62%が、銃規制強化に賛成しているのだ。もう1つの支持層である白人男性も、58%が賛成だ。
2016年の大統領選でトランプを勝利に導いたのは、おもに白人の有権者だった。そしてトランプは就任1年目をつうじて、自らの支持基盤に忠実な政策を貫いてきた。トランプは、合衆国憲法修正第2条の銃を所有する権利と銃ロビー団体NRA(全米ライフル協会)の強力な支持者でもある。