南北合同チームに韓国国民が猛反対 文大統領は映画で学ぶべきだった?
2003年に青森で開催された冬季アジア大会の韓国チームの実話をベースに作られたこの映画は、韓国の国家代表チームに北朝鮮で選手だった脱北者1名を加えたチームの物語だ。そもそもそれまで韓国には女子アイスホッケーチームは存在せず、チームの結成は今回の冬季オリンピックを韓国に誘致するためだった。
アイスホッケー初心者がほとんどという寄せ集めの選手たちがだんだん成長していき、最後にはチーム一丸となって各国の国家代表チームと戦う。初めは脱北者の選手に反発していたチームのリーダーも、練習を重ねるうちに相手の存在を認めるようになり、最後には2人がチームのエースとして活躍する。
紆余曲折を経てアイスホッケー代表チームが団結、成長していくスポ根ものと思いきや、物語は中盤からクライマックスにかけ、主人公の脱北者の人間ドラマが展開する。彼女には北朝鮮にひとり置き去りにしてきた妹がいたのだ。物語の終盤、北のアイスホッケー代表選手となった妹と氷上で再会し、南と北のライバルとしてリンクの上で激しくぶつかり合う戦いが見どころだ。
今回の平昌五輪合同チームとはやや異なるものの、オリンピック誘致やアイスホッケーチームが描かれ、今回の平昌オリンピックに関わった題材が多く、全てのエピソードが事実ではないにしろ、実際にモデルになった選手は実在する。主人公である脱北者リ・ジウォン選手のモデルとなったファン・ボヨンだ。
2011年まで現役選手生活を続け、現在は京畿道にある障がい者アイススレッジホッケーの監督を務めている。アイススレッジとは、アイスホッケーと同様のルールだが、スケート靴の代わりにソリに乗って競技する、下半身に障害がある選手もホッケーができるよう開発されたスウェーデン発祥のスポーツである。