最新記事

シリア内戦

ロシアでシリア和平会議、民主的選挙の実施呼びかけ 反体制派は不参加

2018年1月31日(水)15時12分

1月30日、ロシア南部のソチで、シリア和平を協議する会議が開かれ、民主的選挙の実施を呼び掛ける声明を採択して閉幕した。写真は会議の出席者たち。ロシアのソチで撮影(2018年 ロイター/Sergei Karpukhin)

ロシア南部のソチで30日、シリア和平を協議する会議が開かれ、民主的選挙の実施を呼び掛ける声明を採択して閉幕した。ただ、シリア反体制派の指導部は会議をボイコットし、米英仏なども参加しなかった。

参加者はまた、シリアの新憲法を起草する委員会を設置することで合意。反体制派の多くは、この会議がシリアのアサド大統領とロシア政府を利することを目指しているとして批判している。

最終声明は、シリア国民が選挙を通じて同国の将来を決定する必要があるとしている。ただ、反体制派や西欧諸国が要求しているシリア難民・移民の選挙への参加を認めるかどうかは明らかにしていない。

このほか声明は治安部隊の存続を呼び掛けたが、反体制派が求める同部隊の改革には言及しなかった。

会議にはトルコとイランの政府代表も参加した。

シリア北部で活動する反体制派組織「自由シリア軍」の幹部は、今回の会議について「アサド大統領と、そのテロリスト政権のためのものだ。ソチ声明はわれわれには関係がなく、議論の対象にもならない」と批判した。

欧米諸国は国連が仲介するシリア和平プロセスを支援しているが、同プロセスはまだ大きな成果を出していない。

ソチ会議に参加した国連シリア問題担当のデミストゥラ特使は、憲法委員会の設置は「(国連主導のシリア和平協議の大半が開催されてきた)ジュネーブで現実のものとなる」と述べた。委員の選定基準は特使が決め、政府、反体制派、独立組織から約50人を選ぶ考えを示した。

[ソチ(ロシア) 30日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 8
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 9
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 10
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中