仮想通貨ブームに乗じた、投資詐欺にご用心
怪しげな投資セミナーや高いリターンをうたうICOなど、仮想通貨詐欺は野放し状態 gremlin-iStock.
<投資のビギナーが手っ取り早く稼ごうとして、ネットにあふれた偽情報に踊らされる>
わずかの資金があっという間に10倍、100倍になる。そんな儲け話に釣られて投資の初心者が群がる分野では、フェイクニュースが恐るべき威力を持つ。
それが猛威を振るう仮想通貨詐欺の教訓だ。規制当局もようやく重い腰を上げ始めたが、もっともらしい相場予測をする詐欺師は今も後を絶たない。アマチュア投資家はいいカモだ。
投機的なブームが過熱するなか、規制の動きはじわじわ広がりつつある。韓国は仮想通貨取引所の閉鎖も視野に入れ規制を検討している。既に取引所を閉鎖した中国は携帯アプリなどを利用した取引も規制する考えだ(この2つのニュースがビットコインの値下がりに拍車を掛けたとの見方もある)。
アメリカでは、かなり前から投資詐欺が疑われていた仮想通貨BCCの取引所であるビットコネクトが、2州の規制当局から取引停止を通告され、1月16日に閉鎖に追い込まれた。
その3日後には米商品先物取引委員会(CFTC)が、顧客の資金をだまし取った疑いで仮想通貨の取引を行っていた事業者を相手取り3件の訴訟を起こしたことを明らかにした。
こうした動きがあっても、詐欺は一向になくならない。ニュースサイトのバズフィードは、悪質な相場師たちがソーシャルメディアやダミーのウェブサイトでテクノロジー業界の大物の名をかたって偽情報を広め、仮想通貨の価格を操作していた事例を紹介している。
新規通貨はハイリスク
例えばハンドルネーム@officiallmcafee(公式を意味するofficial にlを1つ多く付けたのがミソだ)のツイッターのアカウントは最近、情報セキュリティー大手マカフィーの創業者であるジョン・マカフィーの名をかたって、投資アドバイスを盛んに流し始めた。偽ツイートをした人物の正体は不明だが、1月14日午前3時にGVTという仮想通貨を買えと指示。
その後20分以内に、GVTの価格は30ドルから45ドルに跳ね上がり、再び30ドル前後に下落した。
このほかにもリチャード・ブランソンやイーロン・マスクなど著名実業家の名をかたって、偽の投資情報が流されている。