女性の時代の終焉? 右傾化する中南米で女性元首が消える意味
6つの選挙
中南米では来年、コスタリカ、パラグアイ、コロンビア、ベネズエラ、メキシコとブラジルの6カ国で選挙が予定されているが、新たに女性大統領が誕生する可能性は低い。
メキシコでは、左派の有力候補と目されるアンドレス・マヌエル・ロペスオブラドール氏が、ライバルのマルガリータ・サバラ氏のことを繰り返し「フェリペ・カルデロンの妻」と呼び、女性差別だとしてサバラ氏の支持者を怒らせている。カルデロン元大統領の妻サバラ氏の支持率は10%程度となっている。
ブラジルでは、これまで2度大統領選に挑戦したマリナ・シルバ氏が最近出馬を表明したが、多くの世論調査で支持率は3位にとどまっている。
コロンビア大統領選には、複数の女性候補が立候補する見通しだが、有力候補はいない。アルゼンチンでは、ブエノスアイレス州知事のマリア・エウゲニア・ビダル氏が最も人気がある政治家だが、2019年の大統領選への出馬はないとみられている。
いまだに政界にはびこる女性差別やセクシャルハラスメントが、トップを目指す女性の妨げになっていると、以前大統領選にも立候補したペルーのメルセデス・アラオス首相は語る。
「私は(セクハラ)被害にあったことがある」。アラオス氏は最近記者団を前にそう語った。「いかにそれが意欲を殺ぐものか、認識することが重要だ」
(翻訳:山口香子、編集:下郡美紀)
[サンチアゴ ロイター]