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中国経済訪中の仏マクロン大統領、市場開放要請 50超の企業幹部が同行
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1月9日、中国訪問中のフランスのマクロン大統領は、貿易赤字削減のため、中国に対しより一層の市場開放を求める発言を繰り返した。写真は北京で握手するマクロン氏(左)と中国の習近平国家主席(2018年 ロイター)
中国訪問中のフランスのマクロン大統領は9日、貿易赤字削減のため、中国に対しより一層の市場開放を求める発言を繰り返した。
50余りの企業の幹部らを引き連れ、3日間にわたる公式訪問中のマクロン大統領は欧州連合(EU)の他の経済大国、ドイツが連立協議で難航し、英国がEUを離脱するという状況下では、欧州の代表格だ。大統領就任以来、労働市場改革を成し遂げ、今年の成長率も上方修正され、経済は堅調に推移している。5年間の任期中、毎年訪中する意向も表明した。
ただ、成果は芳しくない。比較的小規模な商談は成立しているものの、原子力大手アレバによる原発の使用済み燃料再処理施設建設計画は進んでおらず、航空機大手のエアバスによる100機以上の商談も契約成立まではこぎ着けられなかったとみられる。
トランプ米大統領が昨年訪中した際には、米航空機大手ボーイングによる300機の売却が発表された。
マクロン大統領は8日、中国の習近平国家主席との会談で、中国による外国企業に対する規制に触れ、規制を続ければ共倒れになると述べ、市場開放を迫った。中国政府の発表によると、李克強首相は「フランスによる投資、輸出の拡大を歓迎する」と大統領に伝えた。
中国の電子商取引最大手アリババグループの馬雲会長は北京で、マクロン大統領の発言に理解を示した上で「互いにより市場開放を図るべきだ」と記者団に語った。
フランスの対中貿易赤字は300億ユーロ(360億ドル)。
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