米黒人世帯の純資産は8ドル、白人世帯の30,000分の1
米タフツ大学のジェームズ・ジェニングス名誉教授(人種、都市政策)に言わせれば、これらの数字は、人種差別をなくすボストンの道のりがまだまだ長いことを示している。
スポットライトの調査結果は、アメリカの貧困問題が新たな注目を集めるなかで発表された。
国連は今、アメリカに調査団を派遣し、貧困や人権侵害の調査を実施中だ。調査団の代表は先週、南部アラバマ州の山間部における貧困率は、先進国で最低水準だと言った。
さらに、米連邦準備理事会(FRB)が2016年に実施したアメリカの「消費者金融調査(SCF)」のデータを分析した左派系シンクタンク「人民政策プロジェクト(3P)」がまとめた報告書によれば、サブプライム危機に端を発した2007~2009年のグレート・リセッション(大不況)以降からバラク・オバマ前米政権時代にかけて、黒人の富は吹き飛んだ。
「2007~2016年の10年間で、アメリカの下位99%が占める富の平均値は4500ドル減少した。目減り分は、アフリカ系アメリカ人世帯の住宅に集中していた。住宅資産を除けば、黒人の富は2016年に、2007年の水準まで回復した。だが2007年と比べて、黒人の住宅資産の平均値は1万6700ドル下がったままだ。同じ10年間で、上位1%が占める富の平均値は490万ドルも増えた」と、報告書は結んでいる。
(翻訳:河原里香)