最新記事

米年末商戦

サイバーマンデーでさらに儲けるアマゾンの戦略

2017年11月27日(月)17時54分
アンソニー・カスバートソン

ブラックフライデーのネット売り上げの半分を稼ぐアマゾンには値下げの原資も余るほどある Philippe Wojazer-REUTERS

<米年末商戦の初日「ブラックフライデー」に全ネット店舗の半分を売り上げたアマゾンは、休み明けの「サイバーマンデー」向けにも強力な製品と仕掛けを用意している>

感謝祭翌日の「ブラックフライデー」から始まる米年末商戦で、アマゾンはネット店舗全体の半分を売り上げた。この勢いに乗り、休暇明けで売り上げが急増する「サイバーマンデー」にも勝って、ネット取引での独占的地位を強固にするつもりだ。その武器になるのはもちろん、キンドルやアマゾンエコー、ファイヤーTVなど人気自社製品の一大セールだ。

11月24日のブラックフライデーのアマゾンの売り上げは、全ネット取引の50%を占めたと、調査会社GBHインサイツは分析する。サイバーマンデーの売り上げは、同社の史上最高を更新する見込みだという。

アマゾンからの業績発表はまだないが、ブラックフライデーで最も売れた2つの商品は、いずれもアマゾン製品だったという。アマゾンエコーの小型版である「エコードット」とテレビに接続して使う小さな出力機器「ファイヤーTVスティック」だ。

アマゾンのサイバーマンデー・セールは、アマゾンの音声AIアシスタント「アレクサ」を搭載したアマゾンエコーなどの音声入力機器のオーナーには特別に、1日早い日曜の午後5時から始まる。同社いちばんの成長商品を既に購入してくれたユーザーに、いちばんのお買い得商品で報いるためだ。

予測によると、2017年のサイバーマンデーに消費者が使う金額は推定38億1000万ドル。1日の売り上げとしては、昨年の34億5000万ドルを上回って過去最高だ。

「小売業の技術革新やネット小売りの拡大によるものだ」と、AXA投資顧問のファンドマネジャー、ジェレミー・グリーソンは言う。「スマートフォンやネットマーケティング、ネットショッピングの利便性改善は、これからも小売を変貌させていくだろう」

「伝統的な実店舗はますます、アマゾンのようなネット世代の小売業と競争するために、専門家の助けを必要とするようになっている」


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

コカ・コーラボトラーズジャパン、主要製品を値上げへ

ビジネス

訂正-インタビュー:設立5年で預かり資産500億円

ワールド

イラン外相が23日に訪中=中国外務省

ワールド

米、インドに電子商取引市場の開放要求へ FT報道
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 2
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 3
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボランティアが、職員たちにもたらした「学び」
  • 4
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 5
    遺物「青いコーラン」から未解明の文字を発見...ペー…
  • 6
    パウエルFRB議長解任までやったとしてもトランプの「…
  • 7
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 8
    「アメリカ湾」の次は...中国が激怒、Googleの「西フ…
  • 9
    なぜ? ケイティ・ペリーらの宇宙旅行に「でっち上…
  • 10
    コロナ「武漢研究所説」強調する米政府の新サイト立…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 4
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 5
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 6
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 7
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 8
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はど…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 3
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 7
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 8
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 9
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 10
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中