対北朝鮮交渉の時間切れ迫る 対話模索する米国務省担当の孤立無援
米国の元交渉担当者らは、ユン特別代表に同情の念を示す。北朝鮮に対する怒りを噴出するホワイトハウスと、平和的解決を推進したい国務省との主導権争いのなかで、同氏の交渉権限が制約されてしまっているからだ。
イランが制裁解除と引き換えに核開発計画の自粛を受け入れた2015年の合意締結の際に、米国側で交渉を主導したウェンディ・シャーマン元国務次官は、「私の交渉権限に疑いを持つ人は誰もいなかった」と語る。「今のような状況では、私たちの交渉能力は削がれてしまう」
1994年の北朝鮮核危機の際に米国側の首席代表を務め、最近ユン氏と連絡をとったというロバート・ガルーチ元国務次官補は、ユン氏についてこう評している。「大統領が作っている空気も含めた現在の状況の下で交渉する難題に現実的に取り組んでいる。だが、彼のアプローチは現実主義に基づいているが、それでも彼は使命を信じている」
(Matt Spetalnick記者、Arshad Mohammed記者、Hyonhee Shin記者 翻訳:エァクレーレン)
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