米当局が個人監視対象を拡大 「国内出身の暴力的過激主義者」追加
国防総省のマハー氏によれば、解釈見直しの契機となったのは、安全保障上の脅威となりかねない人間のなかには、「イスラム国」やボコ・ハラムといったグループと特につながりのない者も存在するという認識だったという。
マハー氏は、「インターネットとソーシャルメディアによって、テロ組織が直接的な連絡なしに支持者を過激化することが以前よりも容易になった」と話している。「そういう個人を監視ターゲットとするためには、柔軟性が必要だと感じた」
2016年8月、オバマ前政権が最後の数カ月にさしかかった頃、国防総省からの報道資料により、同省が情報収集手続の見直しを行ったことが発表された。しかしそこでは、「国内出身の暴力的過激主義者」への具体的な言及はなかった。
このマニュアルの改訂は、司法長官を含む司法省上層部によって承認され、政府系のプライバシー擁護機構である「プライバシー・市民的自由監視委員会」の検証を受けている。
マハー氏は、「国内出身の暴力的過激主義者」は、空軍の研修スライドでは例示されているが、国防総省が用いる公式用語ではないと話す。マハー氏によれば、誰かを新たな定義に基づく監視対象と認定するための具体的な特徴や行動のリストは用意されていないという。
マハー氏は、勘や直感だけでは情報収集を開始するには十分ではないと述べ、ターゲットが米国に害をなす国際テロ組織の目標に貢献しつつあるという「合理的な確信」が必要になるという。
国防総省の新マニュアルでは、「米国の国家安全保障に有害な目的をもって、国際的テロリスト又は国際的テロ組織の目標・目的のために行動し、又はこれを推進していると合理的に信じうる」ターゲットという表現を用いている。
マハー氏によれば、対テロリズムの調査においては、電子的な手段による監視に関して、国防総省のマニュアルに詳細に規定された制限の他に、外国情報監視法など監視に関する連邦法が引き続き適用されるという。
(翻訳:エァクレーレン)
[ワシントン 25日 ロイター]
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