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アメリカ経済バフェット氏ら著名投資家、トランプ政権の税制改革案を批判
10月3日、ウォーレン・バフェット氏(写真)ら2人の米著名投資家は、法人税の大型減税を柱とするトランプ米政権の税制改革案について、提案されているほど大幅な法人税率の引き下げは必要ないなどとして、批判的な見解を示した。ネブラスカ州オマハで5月撮影(2017年 ロイター/Rick Wilking)
ウォーレン・バフェット氏ら2人の米著名投資家は3日、法人税の大型減税を柱とするトランプ米政権の税制改革案について、提案されているほど大幅な法人税率の引き下げは必要ないなどとして、批判的な見解を示した。
米バークシャー・ハザウェイの最高経営責任者(CEO)であるバフェット氏はCNBCとのインタビューで「米国には数多くの企業があるが、法人税率が理由で世界で競争力を失っている企業は1つもないはずだ」と述べた。
米ブラックロックのラリー・フィンクCEOはブルームバーグテレビとのインタビューで、法人税率を27%に引き下げれば米企業にとって十分な減税措置になると同時に、財政赤字の拡大を回避できるとの見方を示した。
「提案されているのは、かなり大幅な赤字の拡大だ」として懸念を示した。
トランプ政権が前月示した税制改革には、法人税率を現行の35%から20%に引き下げる案が盛り込まれた。独立系アナリストらの試算によると、税制改革案の減税規模は最大で6兆ドルに上るとみられる。
トランプ政権や共和党指導部は、税収減は税の抜け穴をふさぎ、控除や税制優遇措置を廃止するとともに経済成長率を押し上げることで相殺できるとの見方を示している。
バフェット、フィンク両氏はまた、共和党が提示している法人減税以外の案も批判。バフェット氏は、遺産税の撤廃は国内の最富裕層に不必要に利益をもたらすため「とんでもない誤り」になると強調。フィンク氏は、州・地方税を連邦所得税の控除対象とすることを廃止する案が盛り込まれた場合、税制改革法案は議会を通過できなくなると予想した。
共和党の一部議員は、州・地方税の控除廃止によって、減税による財政赤字の大幅拡大を防ぐのに必要とされる4兆ドルの歳入の約4分の1に相当する額が確保できると主張。ただ、ニューヨークやカリフォルニアといった州税が高水準な州の共和党議員は控除廃止に反対している。