最新記事

自動車

BMWとベンツが電気自動車の量産戦略 テスラに対抗へ

2017年10月9日(月)11時59分

米アップルが「iPhone(アイフォーン)」でフィンランドの通信機器大手ノキアから市場を奪った約10年前の「ノキア・モーメント」のように、新参企業が革新的なデザインを手に市場の支配権をつかむ時が来たら、対抗できなくなると考えているからだ。

「テスラの電気自動車は先駆的だった。皆が今、それを開発しようとしている。次のステップは、(インターネットに常時接続する)コネクテッドカーだ。利用者にとって全く新しいデジタル体験になるだろう。ノキアからスマートフォンへの移行にあたるものだ」と、ブライトフェルト氏は述べた。

これが間違いなく流れになると考えた同氏は、2015年にBMWを退職した。退職前は、白紙からのEV開発を担当する小さなチームに属していた。

このチームのプロジェクトは、米アップルの関心を引いた。BMWとアップルは2014年に提携を模索したが、最終的には別々の道を行くことになった。

独メーカー各社はその後、家電メーカーやテクノロジー企業が自社の車に及ぼす影響を最小化することに注力し、地図・位置情報サービス「ヒア(HERE)」を共同で買収した。これは、アップルやグーグル が提供する地図への依存を減らそうとした一手だ。

ブライトフェルト氏は、こうした「守りの姿勢」は、自動車メーカーが家電製品の革新的技術発展をうまく利用できていないことを意味している、と指摘する。

対照的にフューチャー・モビリティの車は、(自動運転車が一般的になった将来に予想される)「パッセンジャーエコノミー(乗客経済)」市場を取り入れられるようデザインされているという。例えば、利用者が車内で映画を見たり、友人とチャットしたり、ネットサーフィンを楽しんだりできる。

「アップルはプラットフォームを作り、その上で行われる全てのやりとりから利益を上げている。われわれは顧客にコンテンツを提供していく」と、ブライトフェルト氏は、映画やエンターテインメントやサービスを販売する戦略について語った。

「そのためには、全く違うアーキテクチャーと、コンピューティング基盤が必要だ」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ユーロ圏、貿易摩擦・債務・市場乱高下が主要リスク=

ビジネス

日産CEO、日米関税交渉の加速を要望 早期の明確化

ワールド

カタール、国内米軍基地に100億ドル投資へ トラン

ワールド

トランプ氏、新たな戦闘機「F55」開発と「F22」
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:2029年 火星の旅
特集:2029年 火星の旅
2025年5月20日号(5/13発売)

トランプが「2029年の火星に到着」を宣言。アメリカが「赤い惑星」に自給自足型の都市を築く日

メールマガジンのご登録はこちらから。
メールアドレス

ご登録は会員規約に同意するものと見なします。

人気ランキング
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    加齢による「筋肉量の減少」をどう防ぐのか?...最新研究が示す運動との相乗効果
  • 3
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 4
    ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因…
  • 5
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映…
  • 6
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 7
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 8
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 9
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 10
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中