集団指導体制は保たれるのか?──新チャイナ・セブン予測(4)
「習近平思想」を党規約に?
現在、北朝鮮の金正恩委員長がまさにその一人で、習近平国家主席は、その独裁性によって核・ミサイル開発をやめない北朝鮮を非難し、それ故に一度も中朝首脳会談を行なっていない。その習近平が金正恩と同じように集団指導体制を事実上撤廃するようなことをできるのかと言ったら、まず、できないだろうというのが回答だろう。
それくらい、集団指導体制を撤廃するというのは国家の根幹を変えてしまうほどの一大変化なのである。したがって、少なくとも習近平政権内に撤廃することはないと言っていいだろう。
一期5年、最大二期という政権内では政治局常務委員(チャイナ・セブン)の数を変えることも考えにくい。考えられるのは、党規約の修正で、これは5年に一回必ず行っていることであり、政権終了時に書き入れる慣例ではあるが、二期目に入るときに「習近平思想」を記入するくらいのことはやるだろうと思われる。
[執筆者]遠藤 誉
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会科学研究所客員研究員・教授などを歴任。著書に『習近平vs.トランプ 世界を制するのは誰か』(飛鳥新社)『毛沢東 日本軍と共謀した男』(中文版も)『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』『チャイナ・ナイン 中国を動かす9人の男たち』『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』など多数。
※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。