コンゴ・カビラ大統領とルワンダの利権 ----コンゴ中央部、国連とムクウェゲ医師の「忘れられた危機」
また今年7月、このカビラ大統領一家によるビジネスに関する報告書が発表され、政府と国連との契約でカビラ・ビジネスの一部が儲かっているとのことだ。
その他に、長年、コンゴに投資してきたイスラエル人の商業家、ダン・ガートラー(Dan Gertler)はJ・カビラの親友である。
https://www.bloomberg.com/news/articles/2017-09-07/trump-s-surprise-deal-with-democrats-sets-up-christmas-showdown
モブツの個人資産は32年間で50億ドルに達したと言われるが、Forbesによると、カビラはその半分の16年間で50億~150億ドルの資産を蓄積したと推定されている。
http://www.lecongolais.cd/la-fortune-de-joseph-kabila-estimee-a-15-milliards-us/
だからこそ、J・カビラは任期が切れても大統領職にしがみついているのだ。そして情けないことに、「国際社会」がJ・カビラに対して強く非難できないのは、コンゴが資源大国であり、各国が経済的にコンゴに依存しているからだろう。
国連PKOの「暴力」への間接的な関与、国連専門家グループの殺害
話をカタ・カタンガに戻すと、その輸送に在コンゴのPKO、国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)が協力していると噂されている。PKOはトラックやヘリコプターなど輸送手段が豊富にあり、MONUCSOの任務に含まれているコンゴ軍への支援のために、コンゴ軍を輸送することはしばしばある。カサイ州への輸送に関して、MONUSCOはカタ・カタンガであることを知った上で、あるいはコンゴ軍と間違えて、輸送したのか定かではない。たとえ前者であったとしても、特に驚きではない。なぜなら、これまでMONUSCOは反政府勢力に国連の食糧配給を金(ゴールド)と引き換えに横流ししたことなどが報道されているからである。
その国連に打撃を与える事件が今年3月に発生した。カサイ州での「暴力」の問題を調査していた国連専門家ザイダ・カタラン氏(Zaida Catalan)とマイケル・シャープ氏(Michael Sharp)が、コンゴ人通訳ベツ・ツシンテラ氏(Betu Tshintela)とバイク運転手3名と共に殺害されたのだ。特にカタラン氏はコンゴ政府にとって不都合な情報を収集したらしく、その復讐として斬首され、未だに遺体の頭部が見つかっていない。
【参考記事】コンゴで警察官42人殺害、国連専門家も遺体で発見
国連専門家グループはこれまで、コンゴ以外にもアフガニスタンやイランなどにも派遣されているが、専門家の殺害は今回が初めてであり、国連にとって危機的な問題である。それにもかかわらず、奇妙なことに国連の対応が非常に鈍い。コンゴ政府が彼らを殺害した可能性が高いからなのか。本事件から4カ月後の7月、ようやく国連人権理事会で独立調査委員会の設立が決まった。しかし、本委員会のマンデート(負託)は、被害者が殺害された状況を調査するだけで、加害者の身元確認は含まれていない。
そのMONUSCOが民兵を輸送した可能性や専門家グループの殺害の背景について、米政府がどこまで把握していたかは不明である。しかし、2017年3月下旬、MONUSCOの任務の延長に関する議論の場で、ヘイリー米国連大使は厳しいコメントを発表した。