ロヒンギャ難民12万人超 沈黙貫くミャンマーのスー・チーに批判
グテレス国連事務総長は5日、ミャンマーで起きている暴力が民族浄化と言えるかと記者から聞かれると、「われわれはリスクに直面しており、そうならないよう願う」と答えた。
「地域を不安定化しかねない状況を生み出しているこの暴力を必ず終わらせるよう、ミャンマーのあらゆる当局に求めたい」とグテレス氏は語った。
仏教徒が多数を占めるミャンマーに暮らす約110万人のロヒンギャ族をどう扱うかは、スー・チー氏にとって最大の試練となっている。長年迫害を訴えてきたロヒンギャ族のために沈黙を貫く同氏に対し、欧米諸国からは非難の声が上がっている。
ミャンマーは、治安部隊が「テロリスト」に対する正当な作戦を遂行していると主張している。
東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国であるミャンマーに圧力をかけるため、他のASEAN加盟国がインドネシアの後に続く可能性を、バングラデシュのハシナ首相の政治顧問、H・T・イマム氏は指摘する。
マレーシアはすでにミャンマーの大使を呼び出し、暴力への不満を表明した。マレーシアのアマン外相は声明で、「ロヒンギャ族に対する長年にわたる暴力と差別に関する問題は、より大きな国際的な場に持ち込まれるべきだ」と訴えた。
ロヒンギャ族への暴力は大虐殺だと主張するトルコのエルドアン大統領は、スー・チー氏に対し、暴力はイスラム世界にとって大きな懸念であり、外相をバングラデシュに派遣すると伝えた。
大きなロヒンギャ族コミュニティーを抱えるパキスタンも「深い苦悩」を表明している。
限界の難民キャンプ
ロヒンギャ族の武装勢力が治安施設を襲撃し、ミャンマー軍が大規模な反撃に出た昨年10月以降、約21万人のロヒンギャ族がバングラデシュに避難している。
シャムラプール村に到着した避難民と地元住民らによると、計数千人を乗せた数多くのボートが4日と5日に到着したという。