ロヒンギャ難民12万人超 沈黙貫くミャンマーのスー・チーに批判
ロイター記者は、ニワトリなどごくわずかな荷物とともにボートから降り立つ男性、女性、子どもたちを目撃した。
「軍が家々に火を放った」と、持ち物が入った袋を手にした農民のサリム・ウラーさん(28)は言う。「夜が明けて私たちはボートに乗った。母と妻、子ども2人も一緒だ。ボートには40人乗っていた」
多くが病気やけがを抱える新たな避難民によって、これまで数多くの難民を支援してきた支援団体やコミュニティーのリソースは限界の域に達している。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の報道官ビビアン・タン氏によると、バングラデシュのある難民キャンプは収容者数が「最大限」に達しており、他の施設も限界に近いという。
「われわれはできる限りのことをしているが、さらなるリソースを見つけなければならないだろう」
バングラデシュは、ミャンマー軍が国境付近で活発な動きを見せていることを懸念しており、自国の領土が侵害されるなら苦情を申し立てると、内務省当局者は語った。
バングラデシュの国境保安官によると、ミャンマー側で5日、爆発音が2回聞こえたという。その前日にも2回聞こえており、ミャンマー軍が地雷を仕掛けているとの憶測が広がっていた。
少年1人が国境付近で左足を失い、治療のためバングラデシュ側に運び込まれ、また別の少年も軽傷を負ったと同保安官は述べ、地雷の爆発である可能性があると語った。
ミャンマー軍は爆発についてコメントしていないが、ロヒンギャ族の武装勢力が「世界の注目をさらに集める」ため、首都ネピドーやヤンゴン、マンダレーを含むミャンマーの都市で爆弾攻撃を計画しているとの声明を5日発表した。
(Simon Lewis記者、Krishna N. Das記者 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)