避難所はペット厳禁!? 米ハリケーンで動物たちにも被害広がる
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8月28日、米南部テキサス州を直撃した大型ハリケーン「ハービー」が引き起こした洪水によって避難を強いられた住民の多くは、貴重品だけではなく、犬や猫、鳥などのペットを連れて逃げていた。写真は27日、ペットの犬2匹を連れて避難所に到着した住民(2017年 ロイター/Nick Oxford)
米南部テキサス州を直撃した大型ハリケーン「ハービー」が引き起こした洪水によって避難を強いられた住民の多くは、貴重品だけではなく、犬や猫、鳥などのペットを連れて逃げていた。
「救助ボートから降りる人はみな、犬か猫を抱いていたようだった」。ヒューストン動物愛護協会のモニカ・シュミットさんはそう語る。
ハリケーン「カトリーナ」が南部ニューオーリンズに大きな被害をもたらした2005年には、ペットを残しての避難を拒否する住民がいた。災害対応の専門家はそれ以来、ペットを連れて避難する重要性を強調している。アメリカ動物虐待防止協会(ASPCA)によると、災害対応の連邦政府ガイドラインには、ペットも含まれている。
だが、大規模避難所となったヒューストンのコンベンションセンターでは27日、ペットを巡る対応について混乱と怒りが広がっていた。
犬を連れた住民数十人が、避難所の中にペットは入れないと告げられたり、動物向けサービスは提供していないと言われたりした。ロサナ・ナゲラさん(27)もその1人で、夫と交代で、雨のなか震える飼い犬の世話をしていたという。
28日朝には、コンベンションセンター内の指定された場所にペットが入れるようになり、飼い主の折り畳み式ベッドの横で丸くなる犬の姿がみられた。赤十字の担当者によれば、赤十字の施設ではペットを連れた避難住民を歓迎している。そこではペットを檻に入れたり、外部組織に預けられたりしているという。
ヒューストンの動物シェルター「BARC」はフェイスブックで、ペット禁止の避難所に脇にペット用のトレイラーを設置したと発表した。
当局がペット連れで到着する避難住民の対応に追われる間にも、ハービーは無数のペットを危険にさらしている。
洪水や通行止めのため、動物救助グループの多くは被害を受けた地域に行くことができず、被害の全貌が判明するまでに相当の時間がかかるとみている。カトリーナの場合は、25万匹の犬や猫が死んだり避難したりしたとASPCAは推定している。