最新記事

米中関係

トランプ大統領の対中貿易調査、両国関係に「有害」=中国紙

2017年8月14日(月)16時15分

8月14日、チャイナ・デーリーは、トランプ大統領が米企業に対して、中国で事業を行う米企業が知的財産の引き渡しを迫られるといった中国の貿易慣行を巡り調査を行う構えを示していることについて、調査が決定されれば両国関係に「有害」との論説を掲載した。写真は知的財産保護のポスター。2006年、北京で撮影(2017年 ロイター/Claro Cortes)

14日付のチャイナ・デーリーは、トランプ大統領が米企業に対して不公平とされる中国の貿易慣行を巡り調査を行う構えを示していることについて、調査が決定されれば両国関係に「有害」との論説を掲載した。

複数の米政府高官が12日に明らかにしたところでは、トランプ大統領は14日、通商代表部(USTR)のライトハイザー代表に対し、中国で事業を行っている米企業が知的財産の引き渡しを迫られるといった中国の貿易慣行について、調査するかどうかを決定するよう命じる。

北朝鮮情勢を巡って国際的な緊張感が高まるなか、米政府は中国に対して、北朝鮮にミサイル開発を放棄させるよう一段の圧力をかけることを要請。トランプ米大統領は、中国が北朝鮮の抑止に向けてより積極的な役割を果たせば、中国への態度を軟化させることを示唆している。

チャイナ・デーリー紙は、後で後悔するような拙速な決定を下さないようトランプ政権をけん制。「中国が北朝鮮を十分に押さえ込んでいないと、トランプ米大統領は失望感を強めているように見える。ただし、貿易を政治問題化することは、米国を利するどころか、米経済の難局を一段と深刻にし、中米関係全般に対して有害となる」と主張した。

同紙は、北朝鮮に行動を改めさせるという責任を中国に負わせるのは不公平だと指摘。「中国を北朝鮮の核開発の共犯者であるかのように扱い、北朝鮮を止められないとして中国を責めることによって、トランプ大統領は国際的な同盟を分裂させるリスクを冒している」と論じた。

[北京 14日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 8
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 9
    メーガン妃が「アイデンティティ危機」に直面...「必…
  • 10
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中