世界の石油市場支配を固める中国 ライバルは戦々恐々
中国石油天然ガス(ペトロチャイナ)は今年、南部の雲南省で26万bpdの能力をもつ製油所を稼働させる。一方、中国海洋石油(CNOOC)は広東省恵州にある製油所の能力を20万bpd拡大する見通し。双方とも2018年までフル稼働しないものの、これら新規拡大により、中国の精製能力は今年35万bpd増えることになる。
コンサルタント会社FGEとウッド・マッケンジーの推定では、中国からのガソリン輸出は今年、少なくとも前年比1万bpd増加する見通し。今年の海外ガソリン販売を23万5000─24万bpdに押し上げ、2018年は約33万bpdとなると予想している。
ユニペックは新たな海外市場開拓を主導しており、6月は数年ぶりにジェット燃料をシンガポールから欧州北西部に輸送した。一方、中国の対フランス軽油輸出は今年2倍以上に、イタリア向けは4倍以上になる見込み。また、ケニアに初めて軽油を輸出した。
高品質な燃料
中国企業の攻勢により最もあおりを受けるのは、シンガポールや韓国、台湾の石油製品を輸出する企業である。
「われわれは現在取引のある国々で顧客数を増やし、新規市場の多様化と開拓をはかっている」と、韓国のある精製企業関係筋は匿名で語った。
「市場にプレーヤーがもう1人増え、韓国企業に影響を及ぼしている」
日本とインドの石油精製企業は、比較的影響は受けないとみられる。
中国とインドは、アジア最大の石油消費国だった日本を上回っている。人口減や電力・輸送部門における代替燃料の使用増加により石油消費量が減少しているため、日本企業は精製能力を整理統合している。
一方、インド企業は急増する国内需要を満たすことに注力している。