インテルCEOなど大統領助言組織を辞任 トランプの白人主義への対応巡り
8月14日、米バージニア州シャーロッツビルで12日に白人至上主義団体と反対派が衝突し死傷者が出た事件で、トランプ大統領が当初極右派を明確に非難しなかったことを受け、製薬大手メルクのケネス・フレイジャー最高経営責任者(写真)が大統領の経済助言組織である製造業評議会を辞任した。ニューヨークで2015年9月撮影(2017年 ロイター/Brendan McDermid)
米バージニア州シャーロッツビルで12日に白人至上主義団体と反対派が衝突し死傷者が出た事件で、トランプ大統領が当初極右派を明確に非難しなかったことを受け、製薬大手メルクのケネス・フレイジャー最高経営責任者(CEO)が14日、大統領の経済助言組織である製造業評議会のメンバーを辞任した。同CEOはアフリカ系米国人。
このほか、米半導体大手インテルのブライアン・クルザニッチCEOやスポーツ衣料品大手アンダーアーマーのケビン・プランクCEOも相次ぎ辞任を表明した。
インテルのクルザニッチCEOは「わが国の断絶した政治状況が重要課題に対する深刻な危害となっていることに関心を促すため評議会を辞任した」とブログに投稿した。
アンダーアーマーのプランクCEOはツイッターで辞任を明らかにし、米製造業の改善に向けて引き続き意志を強くするとしながらも、同社が「政治ではなく、革新やスポーツに関与する」と述べた。プランク氏は先に、トランプ大統領を称賛したことで同社の広告塔を務めるスポーツ選手らから反発を受けていた。
フレイジャー氏は声明で「米国の指導者は、すべての人々は平等であるというわが国の理想に反する敵対感情、憎悪、白人至上主義の拒否を明確に示し、われわれの基本理念を尊重すべきだ」と表明。「メルクのCEOとして、また個人的な良識に基づき、私は不寛容と過激思想に反対する責任を感じている」と述べた。
これに対しトランプ大統領は、ツイッターで「フレイジャーCEOが大統領の製造業評議会を辞任した。CEOは、これからは『不当に高い薬価の引き下げ』に向けてもっと時間を割けるようになるだろう!」と揶揄(やゆ)した。
さらに大統領は、メルクについて「薬価つり上げのリーダーであり、同時に米国から仕事を海外へ移動させている。仕事を国内に戻し、薬価を下げるべきだ」とツイートした。