2050年の日本文化はサブカルから生まれ、オタクに支えられていく
2017年8月22日(火)16時00分
しかし今まで同様、新しいものが公に認知されるまでには時間がかかる。それらの作品が賞を獲得し、学問の対象となる頃にはもっと新たな表現方法が誕生しているのではないか。最初に評価されるのは海外においてかもしれない。浮世絵も黒澤映画もそうだった。次代のクリエーターが人間国宝に指定されるのは、まあ100年先だろう。
しかし案ずることはない。未来の人間国宝はもう、この世に生を受けているかもしれない。あるオランダの研究によれば、2070年頃には人の最長寿命が125歳に達するという。しかも、最初に125歳の壁を突破するのは日本人女性だと予想されている。
そうなれば北斎超えだ。北斎は110歳で最高傑作を描くと豪語したが、2050年の北斎は125歳まで描き続けるかもしれない。1人の「画狂老人」ではなく多くの「芸狂老女」がいて(何人かは男もいるだろう)、その創作活動を支えるたくさんの老壮オタクがいる。2050年にはそんな文化が花開いているはずだ。
<本誌2017年8月15&22日号「特集2050:日本の未来予想図」より>
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