セッションズ司法長官をクビ!にトランプ支持層が激しく動揺する理由
そして共和党のポール・ライアン下院議長は火曜、セッションズを解任するのはトランプの「特権」だと語る一方、ムラーによる捜査が「魔女狩り」だという批判は当たらない、とトランプの言い分を否定した。
「ムラーは共和党の大統領に任命され、共和党政権の下で任期満了までFBI長官を務めた共和党員だということを忘れてはならない」と、ライアンは日曜のラジオで語った。「ムラーは党派的な人物ではない。重要なのは、下院と上院と特別検察官が並行して捜査を行うことで政治的な影響を排除できており、捜査が政治ショーになるのを免れていることだ」
共和党議員たちの心は動揺や疑問、驚きなど様々に揺れている。
火曜の午後、議員たちの不安が露わになる場面もあった。共和党のスーザン・コリンズ上院議員(メーン州選出)が民主党幹部のジャック・リード上院議員(ロードアイランド州選出)の会話が、電源が入ったままだったマイクから漏れ出した。
コリンズは言った。「補助金という単語を見れば何でも削除する。基準も考えもない。信じられないほど無責任だ」
リードは答えた。「(トランプと思しき)彼はいかれている」「軽々しくは言えないが、彼はちょっと狂った男だ」
コリンズは同意した。「不安だ」
特別検察官には手を出すな
議会の共和党議員は行動こそ起こしていないものの、不安なのはコリンズだけでないと、ウォルシュは本誌に語った。もしトランプがセッションズを解任すれば、数人の議員が身を乗り出して反対すると予想する。
もし、ムラーを解任すれば? 「津波が押し寄せる。間違いなくレッドラインを越える。議員たちはやり過ぎだと言うだろう。そうなればトランプは危機だ」
今後は、トランプがムラーを解任して危機に陥るか、ムラーがトランプを有罪にする証拠を見つけるかのいずれかだ。もし2018年の中間選挙以前に有罪の証拠が見つかれば、共和党議員は反トランプに動かざるを得ず、結局ムラーを解任した場合と同じ危機に陥る。
「これは不運なことだし、共和党にとって本当に悪い状況だ」と、ウォルシュは言う。
(翻訳:河原里香)