ECB、米相互関税で金融政策正常化に遅れも=ギリシャ中銀総裁

欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁(写真)は8日、米相互関税の導入に伴うインフレの進行と世界的な貿易戦争でユーロ圏の金融政策の正常化が遅れる可能性があるとの認識を示した。2023年撮影(2025年 ロイター/Louisa Gouliamaki/File Photo)
[アテネ 8日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁は8日、米相互関税の導入に伴うインフレの進行と世界的な貿易戦争でユーロ圏の金融政策の正常化が遅れる可能性があるとの認識を示した。
総裁はギリシャ中銀の年次株主総会で「インフレ率やインフレ期待がさらに上昇すれば、金融政策の正常化プロセスが遅れるか、もしくは止まる可能性さえある。そうなれば金融状況と成長の勢いが悪化する」と発言。米国と欧州だけでなく、米国が関税を課していない国でも、世界貿易減速の影響を感じるだろうとの見方を示した。
トランプ米大統領が相互関税を発表したことを受けて世界の金融市場は混乱しており、エコノミストは来週のECB理事会で追加利下げを決定する論拠が強まったと指摘。利下げ加速が適切との声も出ている。