ECB金融政策の予測、AI活用で精度向上=DIW

4月16日、ドイツ経済研究所(DIW)は報告書で、欧州中央銀行(ECB)の金融政策の動きを予想する際に人工知能(AI)を活用することで予測の精度が向上するとの研究結果を明らかにした。写真はEUの旗。昨年7月、独フランクフルトにあるECB本部で撮影(2025年 ロイター/Jana Rodenbusch)
[ベルリン 16日 ロイター] - ドイツ経済研究所(DIW)は16日公表した報告書で、欧州中央銀行(ECB)の金融政策の動きを予想する際に人工知能(AI)を活用することで予測の精度が向上するとの研究結果を明らかにした。
DIWの研究者らは、2019年1月から25年3月までのECBの市場との対話を、特別に訓練されたAIに基づくテキスト分析モデルを使って分析した。
報告書を執筆したDIWの専門家ケルスティン・ベルノート氏によると、このモデルはECBの声明に記された各文章について、金融政策の引き締め的シグナルか、緩和的シグナルか、中立的シグナルかを分析。テキスト分析を活用した上でインフレや経済政策の不確実性、これまでの政策金利の道筋を考慮に入れると、政策金利の予測精度が約70%から80%に向上したという。
同氏は「中央銀行は言葉を金融政策の手段として使っている」と指摘。「講演、プレスリリース、インタビューにおける言葉の選択は無作為に行われているわけではなく、慎重に考慮されたものであり、将来の金融政策の方向性を読み取れるようになっている」と述べた。
この分析モデルは、ECBが17日の理事会で追加利下げを決定する可能性が高いと予測している。