スーツはおしゃれの道具じゃない、「細身」では信用されない
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<なぜ細身のスーツはいただけないのか。会話術を磨く前に知っておきたい、ビジネスマンのスーツ術>
ビジネスマンにとって、スーツは戦闘服だとよく言われる。「信頼感」や「誠実さ」を演出できる道具。しかし、戦闘服であるはずのスーツ姿が、どうにも残念な男性は少なくない。
イメージコンサルタントの石徹白未亜氏によれば、ビジネスファッション(=スーツの着こなし)で多い失敗は、「気を使わなさすぎ」か「イキりすぎ」のどちらか。前者は、楽だからと実際のサイズより大きいジャケットを着るような「おじさん」たちで、その無頓着な着こなしのために言葉を発する前から損をする可能性があるという。
後者は、本来ふさわしいサイズよりも細いサイズを好むような人たち。こちらも相当厄介なタイプで、「モテたい、女子からいい感じに見られたいという願いが絶対にある」はずなのに、「おしゃれに気をつかっているように見えて自己満足でしか」ないと、石徹白氏は断言する。ファッションとビジネスファッションは違うのだ。
ビジネスファッションにおいて最も重要なのは「悪目立ちしないこと、他人の目に留まらないこと」と言う石徹白氏は、『できる男になりたいなら、鏡を見ることから始めなさい。――会話術を磨く前に知っておきたい、ビジネスマンのスーツ術』(CCCメディアハウス)を出版。紳士服売り場でやってはいけない買い方から、値段以上の価値のあるスーツの選び方まで、軽妙なタッチでビジネスファッションのルールを解説している。
ここでは本書から一部を抜粋し、3回に分けて転載する。細身スーツの弊害だけで7つものポイントが挙げられているが、まずはその2つを紹介しよう。
細身スーツの弊害1:若さを必要以上にアピールしてしまう
ファッション以外でもそうですが、文化は「直前」が一番ダサく見えるものです。バブルのころの、ジャケットはたっぷりシルエットで、パンツもタックがたっぷり入っていたころの反動が今の細身スーツブームを生み出しました。しかし、あと20年したら、「なんでこの頃の服こんな細いの(笑)」となっているかもしれません。
細身スーツのすべてが悪いというわけではありません。ただ、細身スーツを着ていいのは①細くて②顔が小さい③若い人です。この三つの要件から外れるほど細身スーツは無理が出ます。髪の毛が薄くなってきたのに髪型は学生時代の長めの状態を意地でも変えない人を見ると切なくなってしまうものですが、若くも顔が小さくも細くもない人が細身スーツを着ているときも周囲はいたたまれなくなります。若さにすがりついているように見えるからです。
ここで、「よぉ〜し! 俺は細いし小顔で若いから思いっきり細身スーツ着るぞ〜!」と息巻く方も待ってください。次項以降で、若くて細いからといって過度な細身は印象で損をするということについてふれていますので、早まらないでください。
【参考記事】 40代独身男性はスーツをどのように着ればダサくないか