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米ロ関係トランプ大統領、対ロシア制裁強化法案へ前向きな姿勢
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7月23日、米ホワイトハウスは、上下両院の指導部が合意した対ロシア制裁強化法案の署名にトランプ大統領(写真)が「オープン」な姿勢だと明らかにした。21日撮影(2017年 ロイター/Carlos Barria)
米ホワイトハウスは23日、上下両院の指導部が合意した対ロシア制裁強化法案への署名にトランプ大統領が「オープン」な姿勢だと明らかにした。
議会民主党は22日、ロシア、イラン、北朝鮮への追加制裁を認める法案を巡り、共和党と合意したと発表。同法案は、米政権が制裁解除を含め対ロシアの外交方針を大幅に変更する場合に大統領に議会への報告を義務付けるもの。
上院ではすでに可決済み。下院のマッカーシー共和党院内総務のオフィスによると、下院では25日に採決が予定されている。
ホワイトハウス当局者は「トランプ政権は法案の方向性を支持するが、法案の最終版が完成するまでは内容に立ち入らない」と語った。
法案は、ロシアによる2014年のウクライナ南部クリミアの併合と2016年米大統領選への介入を巡り、ロシアに制裁を科すもの。ロシアのプーチン大統領は昨年、米大統領選への関与を否定している。
法案は1カ月前に上院で可決された後、共和党が対北朝鮮制裁を盛り込むことを提案し、下院で審議が止まっていた。
ホワイトハウス広報部長に新たに就任したアンソニー・スカラムッチ氏は23日、CNNの番組で、トランプ大統領は法案に署名するかどうかを決めていないが、「間もなく判断する」との見方を示した。
共和党と民主党の議員らは23日、法案は両党から幅広い支持を得ていると明らかにした。
これより先、欧州連合(EU)は22日、米国が独自に対ロシア制裁を強化する動きに懸念を表明し、主要7カ国(G7)のパートナーとの協調を図るよう米国政府に要請した。
EU当局者によると、トランプ大統領が対ロシア制裁強化法案に署名する場合、欧州委員会は26日の会合で対策を協議する予定で、報復措置の検討も視野に入れている。
欧州委のユンケル委員長は、米国の制裁法案により、ウクライナにガスを供給するロシアのパイプラインの更新作業を行う欧州企業が打撃を受ける可能性を懸念している。
EU当局者によると、米国の制裁措置は、鉄道輸送や金融、海運、鉱業の分野でロシアと合法的なビジネスを行う欧州企業も対象となる可能性がある。
一方、EUが米国に報復措置を講じるには加盟国政府の支持が必要であり、英国やハンガリーなど米政権との関係を悪化させたくない国は反対するとみられる。
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